第32話

と思いながらその場所を見渡してみる。

そこはまるで、どこかの遺跡のような場所であり、入り口付近には看板がありそこには『神人様専用』と書かれている。

「うーん、何か凄くワクワクしてきたね理久斗君!」

と、ユウトがテンション高めに言ってくる。

なので、俺もつられて興奮しながら、

「確かにそうだな。この中に入ったら俺達どんなことになるんだろうな!」

と、ユウトの言葉に同意したのである。

その後、俺達が遺跡の中に入るとそこには様々な施設が広がっていたのである。

その中には武具を作る工房みたいなものもあった。

そのことから、俺にはこの世界の武器などを使って戦いたいと言う気持ちが生まれていた。

そんなことを考えているうちに、俺はふと疑問を覚えた。

「なあユウト一つ聞いていいか?」

と質問を投げかけるとユウトが答えてくれた。

「はい、大丈夫ですよ。なんでも聞きましょう」

とのことだった。

なので早速俺は問い詰めることにした。

ユウト曰く

「僕たち神人はステータスの上がり幅がかなり高いんですよ。なので最初は剣などの扱いに慣れるために初心者用の装備を用意しています。それに、もし強くなりすぎても簡単に扱えるようにしてあるんですよ」ということらしい。

〜〜それから数日後のこと〜〜

俺は今日もまた、ユウトの修行場に来ておりユウトと一緒に特訓していたのだ。

ユウトによると、今日の相手はかなり強いらしい。

だからといって油断してはいけないと言われたのでしっかりと気を引き締めて戦おうと思う。

そしてユウトが開始の合図をした直後、相手の攻撃がこちらに向かってくる。

なので、俺は咄嵯の反射神経を使い避けようとする。

しかし、思ったよりも相手が速かったらしく反応が間に合わず直撃してしまった。

そのまま俺は吹き飛ばされてしまい地面に激突してしまう。

そして、すぐさま起き上がると今度はこちらから攻撃を仕掛けることにする。

だが、やはりスピードの差は歴然で相手に一撃を入れることすら出来なかった。

そこで一旦仕切り直すために距離を取り呼吸を整える。

すると、向こうの方からこちらに攻めてくる気配を感じる。

そこで俺はすかさずカウンターを決める。

しかしその瞬間に、俺の攻撃はかわされ反撃をくらってしまったのだ。

その後も同じようなことが続き、結局勝負がついたのはその日の夜になってからだった。

「よし!今回の修行も終わりだな。お疲れさん」

と、理久斗が言った後僕は、

「ありがとうございます。おかげで強くなれましたよ」

と言った。

実際本当にそう思っているので、素直に感謝した。

「じゃあ、また明日会いにきますね。ではさようなら」

と言って帰る。

その時はもう辺りは真っ暗で急いで帰らないと親に怒られてしまうからだ。

「おい待てよ。一緒に帰ってもいいだろ?」

と言われて断る理由も無いので、僕たちは2人で帰路についたのであった。

〜〜ユウトたちが修行をし始めた日から数日前〜〜

「ねえ、ユウトちゃんちょっとお願いがあるんだけど良いかな?」

「はい、大丈夫ですよ」

「実は、最近魔物の動きが激しくなってきているみたいで私達の手にも負えない状況になってきてたの。でもねそこであなた達に力を貸して欲しいって思ってるの」

「分かりました。僕で良ければ協力します」

「助かるわ。ならよろしく頼むね」

と言われてその場から去った。

そこで理久斗とも合流したのですぐに出発する。

目的地は王都から少し離れた森の中にある洞窟である。

何故その場所が選ばれたのか、それは今から行く場所で魔獣の討伐を行ってもらうためである。

ユウトは昔から生き物が好きでよく色々な動物に餌付けをしていたりしていたのである。そのため今ではかなりの強さを持っている。

だが、この世界の住人も黙っていないようで、度々人間を狙って襲いかかってくる。

だがユウトはそんな奴らを蹴散らしてどんどん進んでいく。

だがユウトは途中で気づいたことがあった。

なんと自分の後ろについて来てくれている人の中に1人だけ自分以上の力を持った人が居たのだ。

その人物はユウトのことをチラッと見ると話しかけてきた。

「なあ、少し話したいことがあるんだが良いか?というかお前誰だ?どうして俺たちの後をつけてきているんだ?場合によっては容赦しないぞ」

その声は、怒りに満ちており殺気が漏れ出している。

それを見たユウトは流石に声をかけることにした。

「えっとあのですね。取り敢えずは落ち着きませんか?取り敢えずは話し合いましょう」

と言うと、ユウトは冷静になったようで、その人に向かって話を始めた。

「取り敢えず自己紹介をしましょう。俺はユウトと言います。貴方の名前は何ですか?」

と聞くと、その人物がユウトに向けて自己紹介を始めてくれる。

「俺は龍馬だ。」

その人物の名前を聞いたユウトはとても驚いていた。

というのも、その名前は昔この世界に危機が訪れた時に戦ったとされている伝説の男と同じ名前だったためだ。

それを知ったユウトはこの男がどのような人物であるか確かめるために話し方を変えてみることにした。

そして、会話を進めていくうちにその男の実力が分かったため本題に入ろうとしたところ男は突然

「ここだとまずいだろう。移動しようぜ」

と提案してきたので、それに乗っかることにして、森の奥深くに入っていくことにした。

ユウトとユウトと龍馬が話を始めて数十分程経ったところで、急に戦闘が始まった。

どうやらユウトが狙われてしまったようだ。

しかしユウトの表情は余裕そのものでまるで相手にならないと言わんばかりの態度である。

それもそのはずで、ユウトと相手の強さが違いすぎるからである。

一方、その頃理久斗の方は、龍馬の圧倒的な戦闘力を見てただ呆然と立ち尽くしていた。

それから数分経つとユウトが帰ってきた。

そして、そのまま何も無かったかのように先に進む。

(やっぱり強いな)

と思いながらユウトの隣に並ぶように歩いた。

そして遂に辿り着いた。

目の前にはいかにも何かがありそうな場所があった。

そして奥には扉のようなものが見えていた。

そこでユウトが口を開く。

「ここから先は危険です。ここで引き返すのも一つの選択ですよ」

と言われたが、俺はそれでも前に進もうとする。

しかし、何故か進めなかった。

なので仕方なく一旦戻ることにして来た道を戻って行った。

道中で何度かモンスターと遭遇したが問題なく倒して行く。

ただやはり敵が強くなってきたせいで少しずつダメージを受けてしまっている。

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