第13話
「ユウト殿にはもう既に妻がいるのか。これはますます負けられぬな」
「そうですね」
「ところでユウトちゃんは何でその格好なの?」
「あぁそうだった。実は男装していたんだけど理由があってやめたんだよ」
「あ〜そっか、昨日ガイルくんとデートしたんだもんね〜」
「ん?なんで知ってるのかなぁ?」
2人は【あ】と言った。
「アリス!メルシア!ここに座りなさい!!」
「ごめんなさあああい」
「申し訳ないユウト殿」
「ユウトの浮気者〜!!!」
とゼノさんが泣き叫ぶ。
「いや違いますよ。あの2人が勝手に言いふらすのが悪いのであって、俺悪くないですよ」
「うぅ……グスッ……」
「ほら、俺の事好きすぎるからつい言っちゃったんですよね」
ということにしたのだ。
「ふぇ?」
ゼノさんは泣いていた顔を一気に赤面させる。
「ばか//ユウト」
「すいませんでした」
「まあまあ落ち着こうぜ。みんな仲良しが一番」
そう言って仲裁に入るサーニャだったがゼノさんが反論する。
「ふん!あんただけじゃないでしょうが!」
「ふふ、確かにそうだね。僕も悪いかも」
「あらあら皆さん嫉妬しているのですか?」
「く、まさか貴女までとは思いもしませんでした」
とゼノさんは言うと、今度はユリナが話始める。
「そもそも何故そこまでモテてるんですかね?私の予想では何かあると思うのですが」
「それについては、同感ですね」
とセリナは同調する。
(一体どういうことだろう)
すると、アリエスが口を開いた。
「確かにその通りかもしれません。例えばそうですね、誰かに呪いをかけられているとか、もしくはユウトは本当は女性だとか?」
「それは流石に無いと思います」
即座に否定をする。
「そうよねやっぱりユウトに限ってそんなことはあり得ないわ」
「それでは、どういった原因でそのように」
「わかりませんね」
全員が頭を抱えていると
「なに?」
とユウトが声をかける。
「ユウトちゃんが呪いでその姿なのかって話」
「違うけど?元々女の子だし女の子大好きでハーレムパーティ作って楽しむのも好きで女の子達と一緒にお風呂で洗いっこしたり一緒に寝たりするのが好きなだけ」
「「「もう!変態ユウトちゃん!でもそこが好きぃ」」」
と二人がハモる。
(うん。こいつらも十分変な奴だ)
すると、
「なら私が確かめます」
と言ってユリナはユウトの胸を触り始めた。
(うん、柔らかいな)
しかし、ユウトの胸は大きくならない。
「どうです?」
「残念ながら大きくなりませんね」
「じゃあ次私!」
次に名乗り出たのはアイシャだ。
「ちょっと失礼しますね」
そして、後ろへ回り込み背中に手を当てる。
「こっちは全然成長しなくて良かったです」
アイシャの手は胸に当たらなかった。
(うん。こいつも絶対普通ではない)
最後に残ったのはリンカだ。
「さっきのは本当にすみませんでした。なので私なりの方法で確認したいと思っています」
すると、ユウトの前に来てしゃがみ込む。
「私に何をされてもいいという覚悟がある人のみ手を上げてください」
はい。とリンカ以外の皆手を挙げた。
「ちょ、リンカちゃん何する気?」
リンカは返事はせずユウトの後ろに周り手を伸ばしてきた。
「ひゃっ」
リンカはユウトの服の中に手を突っ込んできて直で肌に触れてくる。
「ユウちゃん大丈夫だよ〜」
「んん!?……あ……こら」
リンカはさらに大胆に動き出した。
「あっ……ん」
ユウトの反応を見てアイシャとサーニャはユウトを押し倒す。
「次は私達の番だよ」
「ユウト、可愛い」
ユウトの顔は既に赤く染まりきっていた。
「(皆の愛が伝わる)」
ユウト達がギルドに登録して二週間が経過していた。その間にユウト達はBランクに昇格しており、Aランクは目前となっていた。
そこで、今日は全員ギルドへと足を運んでいる。
ちなみに今日も朝からイチャイチャしていた為、ギルドへ向かう時間が遅れたが仕方ない事である。
だって毎日頑張って依頼をこなしてくれて疲れ果てて帰ってくるユウトを見るとどうしても甘えさせたくなるんだもの!
それに最近はずっと二人っきりでベッドの上で抱き合ってるだけだから少し飽きてきちゃった。
だから今はガイルくんのいるCクラスにいるの。
「ガイルくんおはよう♪」
「おう!アイシャか。昨日ぶり」
「ガイル!おはよう!」
「お!ユウトちゃんおはよう」
ガイルくんと話す時は男の子モードでいいよね?
もうガイルくんにも慣れてきてるみたいだし。
「昨日は何やってたんだい?」
「昨日?昨日は二人で買い物行ったくらいかな」
「そっか。楽しかったかい?」
「え?あぁ勿論」
昨日のことを思い出そうとするが何故か頭が痛くなった。
おかしいな?別に何もなかったはずなのに するとガイルくんが口を開く。
「まあ俺のせいでもあるんだけどな……」
「どういうこと?」
「いやなんでもないよ。それよりも早くクエスト受けようぜ」
「あ、ああ」
ユウトは不思議に思ったが、とりあえずは気にしないことにした。
受付嬢の元へ行き、早速依頼を受けることにした。
内容は討伐系だった。
オークの群れを殲滅して欲しいとのこと。
場所は森の奥らしい。
「ユウトちゃんはともかく俺らは足引っ張っちゃうぜ?」
「問題ない。僕には秘策があるから」
「そっか。んじゃ行きますか」
こうしてユウト達一行は、街を出発し目的地の森へと向かった。
「結構奥まで来たな」
「ここがこの辺りで一番大きな森林よ」
「なるほど。んでどうやって探す?」
「これを使う」
と、ユウトは取り出したのは魔道具だ。
「なんなんだそれ」
「これは『探索機』って言って、魔力を流すとその周辺をスキャンしてくれる優れものだ」
「ほぉー便利だな」
「しかも僕が改良を加えて半径5キロまで感知できるようにしたから」
「相変わらず規格外だなお前」
「そうか?」
「そうだぞ」
「よし、準備できたし行くか」
「おう!」
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