第12話

そして、その日の夜何故か眠れなかった。

「なんで眠れないんだろう」

コンコンと部屋がノックされ

「はい」

と答えると

「まだ起きているか?」

ガイルだった。

「お、起きてるよ(どきどき)」

なんでガイルの声だけでこんなにどきどきするの?

おかしくないか。

いかんいかん平常心になれ佐藤悠斗、お前ならできるはずだ。

よし、大丈夫。大丈夫。

(自分に言い聞かせるように)

扉を開けるとそこにはバスローブを着たイケメンがいた。

(しかも裸足である)

(うわぁーすごい鍛え上げられていて筋肉ムキムキですね)

「……(どきどき)」

「どうした?ユウトちゃん」

「へ?え?(どきどき)」

動揺しているとガイルが俺の手を取り部屋に入ってくる。

「な、な、何やってんの!?ダメだよ。こういうことはお互いのことをもっと知ってからの方がいいと思うしそれにもう夜遅いし寝た方が……」

「ユウト」

真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。

「はい、何でしょう?」

「結婚しよう」

(え!?)

「いやだからね。……結婚!?まだガイルとは特に何もしてないじゃないか!いきなりは無理」

「なら既成事実作ろうか?」

(何を言っているのか理解できないんだけど)

すると突然服を脱ぎ始める。

「(うわ筋骨隆々……じゃない)なんで脱ぐの!?」

「だってこれから子供作るんでしょ?」

(おかしいな会話が成立していない)

「しないよ!ていうかまず付き合ってもないじゃん!」

(まあ付き合ってもいないけど)

それを聞いたガイルは落ち込んでしまった。

(あれ?これチャンスなんじゃないか?)

よしここで告白すればきっと上手くいくはず。

「が、ガイル」

緊張しながら名前を呼べば ガイルが顔を向けてくれた。

「まずはお付き合いから始めましょう」

と俺は言った。

「最初から飛ばしすぎですガイルは俺もどきどきしちゃいましたけどね。明日最初のデートをしよう」

「わかったぜ、楽しみにしてな」

ガイルは自分の胸をドンっと叩き

不敵な笑みを浮かべていた。

次の日─ 朝食をとり街に出ることにした。

ちなみに今日の服装は白のワンピースを着ている。

髪色は変えずそのままだ、なぜなら聖属性魔法を使っても髪の色は変わらなかったからだ。

髪色が銀なのは聖属性魔法の効果ということだろう、多分。

「あの子可愛い」

「声掛けたら遊べるかな」

と言われた

(俺の事?)

そして、ガイルがやってくる。

「おお!ユウトちゃん凄くいい可愛い」

俺はガイルのその言葉に顔が熱くなり俯く。

(可愛いって言ってくれた)

近くで見ていた

メルシア達は

「「「お姉ちゃん頑張れ」」」

陰ながら応援する。

メルシアは

「でも、これだと私達のお姉ちゃんがガイルに取られたりしない?」

「それは無いよ」

「ガイルと結婚したとしても私達のお姉ちゃんには変わらないし」

「お風呂とかでお姉ちゃんに会えるじゃん」

「そうだよね」

そして、3人は思う。

(「「「うん、これはこれでアリ」」」)

そんなことを思っていると

ガイルが話しかけてきた。

「ところで今日は何をしに行くんだ?まさかとは言わないが、家に帰るなんて言わないよな?」

「大丈夫。ちゃんと考えてあるから」

そう言うと俺の手を握りどこかへと歩き出す。

俺達が向かった先は最近できたばかりのカフェ。

「まずはここで軽くお茶しましょう。その後、遊園地に行こうね」

「お、おぅ(ユウトちゃんプランある程度立ててるやん)」

そして2人で紅茶を飲む。

「ねえユウトちゃん」

「何?ガイル」

「俺と結婚してください」

「ありがとう嬉しい。すごく」

「俺絶対ユウトちゃん幸せにするから」

「うん。よろしくお願いします。俺の王子様(ポッ)」

そう言ってガイルとキスをする。

(なんか恥ずかしいな)

その様子を影から見守っていた 3姉妹。

「「「わぁーお姉ちゃんとガイルキスしてる!私達には1度もないのに」」」

「今度キス皆にしてもらおうよ」

「そうだね」

(なんか少し悪寒がする)

デートが終わり

次の日

俺は男の子モード全開にして

ギルドへ3人を連れて行く。

「おはようございます」

「あっ悠斗君昨日ぶりだね」

「はい、こんにちは」

受付嬢のお兄さんがこちらに気付き挨拶をしてきてくれる。

すると、周りにいた冒険者達が騒ぎ始めた。

「おい見ろよあの子のこと」

「ああ間違いない!昨日の女の子だ!」

(俺の事かな)

とキョロキョョと視線を動かすとこちらに向かってくる集団がいた。

先頭にいるのは昨日絡んできた4人組だった

「よう、てめぇまた性懲りもなく来たのか?」

4人が目の前に立ちふさがり睨んでくる。

(なんだこいつら邪魔だなあ。それに臭い息かけないで欲しいんだけど。ていうか、この人らのランクいくつなのかな?)

「え?昨日は俺ギルドに来てませんけど」

「あ、いや言い方悪かったなその昨日可愛い格好した女の子ってお前だろ」

(やっぱ昨日のガイルとのデートでの俺の服装みられていたのか)

そのうちの一人が手を掴むと

「なあ!俺と付き合ってくれ」

と言うが

「だめです!俺には付き合っている人もいるしそれに」

「それに?」

「俺女の子が好きな女の子だからです」

「ノー!?」

と言ってしゃがみこむ。

「そっか……残念だけど諦めるか……バイバーイ」

そう言い残し去っていった。

(あの人達弱っ!?)

すると、他の男も声を掛けてくるが

「ごめんなさい、僕まだ子供だから貴方とは無理です。お付き合いできません」

すると男は泣き出した。

すると、奥から出てきたガイルが

「なにしてんだいユウトちゃん」

と聞くと、男が答える。

「ガイルの兄貴……こいつにフラれて……それで……」

「俺と付き合ってるんだなら当たり前だろ」

「ガーン!?」

(あらま〜ガイルさんの舎弟か何かかな)

(あ、またしゃがみこんでる)

というかこんな子供に嫉妬するとか馬鹿じゃないだろうか。

そんな事を考えているうちに

ギルドマスターが現れた。

「騒がしいぞ、何事……ユウトではないか?なぜここにいるのだ?」

そして、事情を説明する。

「なるほど、そういえばそんな奴もいた気がするが。確か、D級の新人冒険者パーティーが返り討ちにしたとかなんとか言っていたような気もせんでもない」

「「「ギルマスなのにしっかりしろよ!!」」」

周りの冒険者から一斉に突っ込みが入る。

「しかし、何故お前が襲われたのかわからんが一応報告はしておく。以上」

そう言って、ギルマは去って行った。

それから、依頼をこなしたり、訓練をしたり、 ご飯食べたりと過ごしているうちにあることに気づいた。

(あれ?これ俺だけやる事ないんじゃね?)

そんな不安を抱きながらも

日々を過ごしていった。

「ふむ、ユウトも随分強そうになったのう」

「いえまだまだ師匠の方が強かったですよ」

現在俺は、朝早くから起きてしまい暇なので 久々にゼノさんの元へ訪れていた。

そして、今はお互い剣を合わせているところである。

「だが、魔法を使いこなしてるじゃないか」

「確かにそうですね」

最初は使えなかったのだが ここ数日の間に使えるようになった。

おそらく聖属性魔法の効果の一つだろう。「わしが教えなくとも、自分でどんどん成長していくお主を見てると嬉しいものじゃよ」

「ありがとうございます。俺もっと強くなりますから」

「うぬ、その意気じゃ」

その後、一緒に朝食をとり 稽古を終え街を散策していると ある看板を見つけた。

『奴隷販売』

(これってもしかすると異世界系の定番イベントなんじゃないか?よし行こう)

そう思いながら、足を進める。

中に入るとそこには首輪をした女性達がたくさんいた。

そして、店主と思われる男性に声をかけられる。

「おお、これはこれは。お客さん初めてですか?」

「はい」

「それではこちらへどうぞ」

案内された部屋には、 多くの写真のような物が置かれていた。

「お客様は初めてとのことでしたのでまずはこちらの写真の説明からさせていただきたいと思います。こちらの女性は元C級冒険者でして容姿端麗、性格は明るく人当たりの良い方でございます」

「こちらの女性は見た目が少々幼いところがありますが、非常に優しく料理が得意なんですよ。もちろん家事全般こなすことができまして、あと何よりスタイルが良い!おっと失礼しました。胸の方の話ではありませんのであしからず。それになんといっても、笑顔が素敵なんです!」

「こちらは、B+ランクの冒険者であります。実力もあり、人望もある。」

「ならこの子達買います。俺のハーレムパーティに入ってもらうが奴隷としては扱わないいいね?」

「それは構いませんが」

(まずはこいつら全員買えるだけのお金を手に入れないと)

「とりあえず、20人はいますね。いくらくらいになるんでしょう?」

「こちら全て合わせて、金貨10枚となりますがよろしいでしょうか」

「わかりました。今すぐ用意します」

俺は、【影転移】を使用し

アイテムボックスに貯めていた

金貨10枚を取り出し机の上に置く。

「これで足りる?」

「はい!ありがとうございます」

全員女の子達を解放した。

奴隷としては一切扱わないだって可愛い女の子なんだからさ!

「ありがとうございますユウト様」

「貴方のような男性」

「待っって!俺見た目男の子だけど俺は女の子だからね」

「え?でもハーレムパーティとか」

「そういうのが大好きな女の子なんです!」

「へ、変な子なんですね」

それを言われ膝からぐ擦れ落ちる俺に慰める女の子。

うんいい光景だ。

ちなみに彼女達は今後ギルドに登録する予定らしい。

その方が色々とやりやすいからね。

「そういえば君たち名前はなんていうんだい?」

すると一番小さい子が答える。

「わ、私の名前はアイシャです」

「私はリンカです」

二人とも、金髪ロングで碧眼だ。

「俺はユウトだよよろしくお願いするよ」

「はい貴方のような男性は初めてです」

「俺女の子だよ」

「え!?こんなに凛々しい姿で身長も高くてすらーっとしてるのに」

「うん。そうそれが俺最近は男の子モードはギルドの依頼こなすときだけなの」

「そうなんだ」

こうして無事に買い物が終わり 帰宅すると、早速3人に紹介することにした。

「この二人は今日から仲間になったメンバーだ仲良くしてくれ」

すると、サーニャが手を挙げ発言した。

「ねぇ、マスターその子達ってユウトちゃんの子供なの!?」

「違うよ!?ただこれから家族みたいなものになってくれるといいなって思ってるけど」

「なるほど、わかった」

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