第8話

「そんなことないよー」

と言いながらもどこか喜んでいるように見えた。

俺は、俺達のランクを聞くとCとDと言われてしまった。

どうやら俺とルミナスはまだまだ下の方のようだ。

俺達は今度こそ本当に別れた。

俺はクエストボードを見てみると沢山の依頼書がある。

俺達は依頼を一つ一つ確認していくと魔物討伐系のものが多いことが分かった。

そして、報酬が高い順に見ていくとゴブリンキング10体以上となっている。

どうやらこの街の近くにもゴブ村があるのでそこに出現したらしい。

これは受けておくべきだと思い その依頼を受けることにした。

「ねえねえ。これなんてどう?」

1枚の紙を取りだした。

「うん。いいと思う」

「でしょでしょ」

そして、俺達は受注するために受付に向かった。

「あら、また来たのですか。」

「うん。これが受けたかったの」

「なるほど。確かに良い内容です。ちなみに2人はパーティーを組んでいるのでしょうか?」

「「いえ、まだ組んでいないわ」わ」

と、同時に答えるとお互いに笑った。

「じゃあ組みますか」

「「はい!」」

「わかりました。それじゃあ頑張って下さいね」

こうして俺とルミナスは同じパーティを組むことにした。

「よろしくねルミナス」

「うん!お願いねゆうくん!」

俺は馬車に乗り込む前にもう一度、馬の手綱を握っている御者に聞いた。

「すみません。行き先はどこになるんですか?」

「はい。ゴブリン村の近くでございます」

「ありがとう」

そう言うと俺達を乗せた荷台は出発した。

それから数時間程経って俺達はようやく目的地に着いた。

辺りは薄暗くなってきている。

「到着しましたよお客さ……ん!?貴女方は……」

「どうかなさいましたか?」

俺が質問を返すと彼は顔を真っ青にしてこう言った。

「大変申し上げにくいのですが実はゴブリンの群れがこちらに向かってきているという報告がありまして……急いで逃げないと危ないのですが……護衛料が足りなくて……」

「なるほど」

「だから、もう少しだけ待ってください!必ず払いに来ますので!!」

「いえ、結構ですよ」

「……は?」

「お二人はここでお待ちしていてくだされば大丈夫ですよ」

「あの、でも」

「あと、私は冒険者でしてそれなりに戦えるつもりでいます」

「……」

俺は彼に向けて殺気を放った。

すると彼の顔色は更に悪くなっていき、冷や汗を流し始めた。

「では行って参ります」

俺は荷台から飛び降りると剣を抜き放ちながら走って行く。

後ろから遅れて、ルミナスがついてくる。

前方からは多数のゴブリンの集団が迫ってくる。

数は20匹くらいだろうか。

俺はまず、最初に一番前にいる5匹のゴブリンの首をはねる。次に3体の頭を胴体から切り離すと残りの7体を一気に片付ける。

残り4体は左右に分かれ挟み撃ちをするように攻めてきた。

俺は右から迫ってくる奴を縦に切り裂くと、左の敵は横一閃し倒した。

しかし、最後の一体は後方へと逃げた。

俺は逃さないようについていく。

だが途中で何かにぶつかってしまい尻餅をつくと上から声をかけられた。

「ほぉ、お前が最近噂になってるガキか」

「誰だあんた?」

目の前にいた男は俺を見下しながら喋りかけてきたが俺はそいつの顔に見覚えがなかった。

「俺の名はゼフ・ゴルバード。まぁ、要するにギルド長だよ」

なんでここに。

てっきり王都のギルドにいるものと思っていたのだが。

まぁいい。今はこっちの方が先決だ。

「それで、何の用なんだ?」

「なぁに。大したことじゃないんだがちょっと実力を見せてもらおうと思ってな」

するといきなり俺の周りを炎の壁で囲まれてしまう。

「これは魔法障壁?」

「そうだ。俺は魔導師なんだよ。それにこの程度の壁は俺には通用しないぜ」

「へぇ〜。それはすごいな」

そして、次の瞬間。

「なっ、消えただと?!」

「悪いな。少し本気にさせてもらうぞ」

「な、な、な、な。まさか!そんなバカな。あり得ない!!こんなの絶対におかしいだろ!!!!」

そう言い残して気絶してしまった。

とりあえず拘束しておくことにしよう。

「ゆうく〜ん。終わった〜?」

「ああ、もう終わるよ」

「ふぅ〜。やっと出れた〜」

「え?どういうこと?」

「私もね、途中から加勢しようと思ったんだけどなんか邪魔になりそうだったから止めちゃった〜」

「そうなのか。ありがとな。ルミナス」

「うん!」

そして、俺達は討伐証明部位を回収して街に戻ることにした。

「そういえばさっきは何であそこで待っていたのかしら?一緒に戦った方が効率も良いと思うのだけれど」

「えっと、それはだね。多分、僕達が死んでしまったら依頼主さんが払えないだろうと思ってね」

「なるほどね」

「じゃあ帰ろうか」

「そうね」

俺達は帰り道を歩いて行った。

そして、宿の前に着くとそこにはアリスがいた。

「あれ、どうしたの?」

「私も今日泊まることになったわ」

「そうなのかい」

「ねぇ、ルミナスちゃんもユウト君もこれから時間ある?」

「うん」

「ありますけどどうしたんですか?」

「なら、この後、ご飯食べに行きましょう」

2人とも承諾してくれた。

そしてその後はすぐに部屋に戻った。

そして、3人で一緒に寝ることになった。

楽しくお話をしながら楽しく過ごせた。

「ガールズラブトーク最高かよ」

思わず口に出してしまっていた。

ーー翌日 朝食を食べ終えてから1度解散することにした。

俺はいつも通りギルドに向かうと昨日と同じ場所に受付嬢のお姉さんの所に行くと

「おはようございます。どうなさいましたか?」

「実はですね、ゴブリンキングを倒したいと思っているのですが良いクエストがあれば紹介して欲しいと思いまして」

「分かりました。少々お待ち下さいね」

数分後に戻ってきた。

「これがオススメです」

「はい」

俺が受けようとした時、突然、後ろから大きな声が聞こえてきた。

「そのクエス……「おい、待てよ!俺達はまだ受注していないはずだ」……んなこと知るかよ」

「お前らが勝手に決めたことだろ」

「いや、俺達は確かに見たぞ。お前がお姉さんと話しているところをな。」

「はあ」

「おめえ名前は?」

「俺ですか?ユウトですが」

「ならおめえ今日は俺達と組めや」

「え?」

「ユウトちゃん」

「うーん。分かりました今日は一緒に行きましょう」

「おめえだけ参加な」

「俺だけ?」

「そう!男3人で仲良くクエストしようぜ」

「…………」

耳元で

「ユウトちゃん大丈夫?女の子なのに男なんて言われて」

「大丈夫だから行ってくるな」

「分かったわ」

近くの草原でウルフ討伐を3人で行うことに。

俺以外は全員前衛職だ。

俺は後衛から指示をするだけ。

すると早速一体現れた。

俺の指示に従って全員が動く。

一人が剣を振り下ろし一撃で倒した。

もう一人は魔法で倒す。

俺は魔法障壁を張る。

だが、最後の一匹の攻撃で破られてしまう。

俺は慌てて回避しようとするがその必要はなかった。

何故ならば、剣を鞘に入れたまま殴って倒していたからだ。

そして、クエストは終了する。

「おめえやるな!見直したぜ」

「そう?ありがとう」

男は俺に抱きつく。

(あ、これだと胸が)

「……ん?んん??」

(やばいかも)

「おめえ女の子!?」

(バレた)

「ああ、違うよ」

「嘘つけ!」

めんどくさ!

「そうだよ!女の子」

「マジかよ!」

他の二人も近寄ってきた。

「本当か?」

「よく見たらすっげー可愛いじゃん!」

「黙れ」

「はい」

俺はそいつらに睨みつけると彼らはすぐに口を閉じた。

そして、俺らは別れると俺は一人で考え事を始めた。

あいつら絶対絡んでくるな。

「でもなんで男みたいにしてるんだ?」

「ん?ああ俺女の子が好きだから。結婚も女の子としたいくらいに好き」

「へ、へえ(おかしな子だけど強くて良い子だから応援しちゃうぞおじさんは)」

何故かギルドのおじさんからも応援されるようになってしまう。

(なんでどうして?)

俺は少し怖くなりながらギルドをあとにした。

そして夕方になると宿に戻ることにした。

宿に着くと扉を開けようとすると中から怒鳴り声が聞こえるのと同時に女性の悲鳴が響き渡った。

俺は急いで入るとそこでは二人の女性が襲われていた。

俺は咄嵯の判断で片方の人を助けた。

するともう一人の女性は俺の方を見つめて来たので俺は彼女の手を引いて外へ出た。

そして、少し離れたところまで移動すると手を離す

「大丈夫?」

「はい、あなたのおかげで助かりました」

「そう、それは良かったよ」

「私はメルシアと言います。助けてくれて本当に感謝します」

「いいよ別に。それでこっちの子は?」

「えっと、あの……」

「あたしさっきあんたが連れて行った女なんだけど!」

「え?あ、そうだったのか。えっと、じゃあ君はここで待っていてくれ」

「ちょっと!」

「じゃあ、また」

「待てよ!」

彼女はいきなり殴りかかってきた。

それを軽々と避けていくと俺がいなくなった方角から叫び声が聞こえてくる。

そちらを見るとそこには誰もいなかった。

「あれ?」

気のせいだったのかと思いそのまま宿の中へと入っていく。

そこには血を流し倒れている彼女がいた。

ーsideルミナス endー

宿の中に入り、ゆっくりと歩いていくと一人の男が襲いかかってきて拳を振り上げてきたのを見てから体を捻らせ、相手の攻撃をかわすと足払いをして転倒させる。

そして、首に手刀を入れ気絶させた。

そして、男の両手両足を拘束する。

それから、部屋のベッドの上に乗せた後、女の人に近づいていき回復魔法をかける。

傷跡などは全てなくなった。しかし、意識は戻らない。とりあえず、俺は宿を出てから近くにあった公園に向かうとベンチに座っている少女に声をかけられた。

「ねえ君。その子知り合いなの?」

「いえ、さっき会ったばかりでして」

「そうなんだ。それなら私に任せてくれないかな?」

「はい」

そしてしばらく待つとメルシアと呼ばれていた子が目を覚ました。

「大丈夫かい」

「ここは……?」

「大丈夫。君の名前は?」

「わ、わたしは……メルシアです」

怯えながらも答えてくれた。

「俺はユウト」

「ゆ、ゆうとくん」

「なにか用があったんじゃないの?その服を見る限り冒険者だよね」

「はい……実は……お願いがあってきました……」

そして、話しを聞いてみるとやはり依頼らしい。

内容は仲間になって欲しいとのこと。

まあ、ハーレムが増えるのはいい事だよね。

それに、どうやら二人は兄妹ではないらしく本当の意味で一緒に行動しているそうだ。

ただ、二人ともレベルが低いために今回のようなことは日常茶飯事で起きていていつも誰かに助けられているようだ。

(これは俺が入るしかないな)

ということで二人を連れて近くの酒場に入ることになった。

そこで俺達の自己紹介が終わると俺がリーダーになりこれからの行動について話し合いを始める。

とは言ってもまずはお互いを知る必要があるだろうと思って話をすることに決める。

「えーと、まずは君のことを教えて欲しいな」

「うん!わかった」

彼女、名前はメイアと言う。武器は主に短剣を使っていて攻撃とサポートを得意としているという。年齢は15歳で趣味はショッピングだそうだ。

「次は私が話すね」

妹さんである、ラミア族のクロナという女性だ。

(ラミア族は綺麗なお姉様多いんだよな。俺的お知り合いになりたい)

歳が14歳の彼女は弓を使っている。

遠距離からの攻撃が得意でさらに罠を仕掛けたりもできる。

そして、種族の特徴として尻尾があるのだが、今は隠しているため普通の人と変わりはない。

ちなみに、この世界では人族以外の人達も住んでいる。

例えば、エルフ、獣人や鬼人もたくさん暮らしている。

そして、俺達も全員人族ではなく吸血鬼、悪魔、神人、天使、魔人の五つのうちの一つに当てはまるのだ。

ただ、ほとんどの人が自分と同じ種族しかいない。

だが、たまに違う種と出会うこともある。

「(俺は一応は神人に属するみたいだけど)それでどうして三人でパーティーを組んだんだ?」

「私たち、二人でダンジョンに入ったんですけど。やっぱりモンスターが強くて。なので、もっと強い人と一緒に行けば大丈夫だと思いまして」

「なるほど」

(そんなに弱かったら一人でも無理だと思うが)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る