第7話

ルミナスはニヤリと笑い、

「ふっ。引っ掛かったね?」

とか言っている。

そして、今度は俺の耳元で囁いた。

「大丈夫だよ。ハーレムは男のロマンなんでしょ?」

その言葉を聞いて、俺は全身から力が抜けていった。

(俺女の子!!けどハーレムってロマンよな!)

そんな俺に追撃を仕掛けるように、

「それにルミナスが行ってくれるなら、私も行くしかないよね?というわけで、行くわよ!ユウト!」

そう言って俺の手を引いて走り出すルミナス。

そして、ルミナスに連れられてやって来た場所は……

「おいマジかよ……」

「ここは、さっきの店の近くにあるカフェよ?」

「知ってる。いやまあそうなんだけど、ここってめっちゃ人気で並ばないと入れないことで有名なお店じゃん」

「そうね」

「それで俺達が入れるの?」

「入る方法は二つ」

「2つ?普通に入るともう1つは」

「ユウト様がちゃんと女の子の格好をする」

「うへー嫌だ」

「なんで?下着は可愛い癖に」

「ぐ!?」

「私の為に可愛くしてくれたんでしょう?ありがとう」

そう言いながら抱きついてくる。

「お、おぅ……」

徐に俺のおっぱいを揉む。

「きゃ!?」

「ユウトちゃんおっぱい結構あるわね」

「もう!アリス!」

「じゃあ入ろうか?」

「そうだな……」

そうして、俺たちは席に着いた。

「ん〜美味しい♪」

と満面の笑みを浮かべながら、ケーキを食べるルミナス。

可愛いすぎないか!?天使か!? いや女神か!! 俺は自分の分を食べながら彼女を見ていた。

すると視線を感じたのか俺を見つめてくる。

そして俺が食べていたチーズケーキが乗っているフォークを差し出してきた。

「はい。アーン」

俺は反射的にパクッと食べた。

「どう?」

「うまい!」

俺も負けじとお返しにショートケーキを口の前に持っていく。

「はい。アーン」

「ぱくっ」

俺達はお互いに見合ってクスッと笑う。

俺達は幸せに包まれていた。

俺が今、感じているこの気持ちは何だろう……。

きっとこれが愛なのだろうか……

「ねぇ、どうしたの?」

「え、いや何でも無いよ」

「そっか、それなら良かった」

彼女はニコッと笑ってまた食事を再開した。

「ねえ、今度二人で旅行しない?」

「旅行?」

「そうガールズラブ旅行よ」

「ほう……最高かよ」

「でしょでしょ!でねユウトくんのおっぱい沢山揉むの」

「目的それかい!」

「あ、もちろんユウト君の性感帯開発したいから私にも触らせてね?」

「いいぜ。俺の体で良ければいくらでも触れてくれ」

「やったぁ!」

「ああ、楽しみだなぁ」

「うふふ。夢が広がるわぁ〜」

こうして、俺は二人を虜にしたのであった。

俺は、この世界でやりたい事が出来た。

それは、彼女たち三人と結婚することだ。

俺も含む全員女の子だけど

全員好きだしハーレムだからさ!

「うふふ」

なんて考えていると

「ユウトちゃんは可愛いわねいつ見ても」

「そう?アリスも可愛いよ」

「もう!ユウトちゃんたら」

「もう!ユウトくんもアリスちゃんも2人だけでずるいのよ」

2人でイチャイチャしていると突然ドアが開きルミナスが入って来た。

「ふふんっ!やっぱり私の勝ちだったようね?」

ルミナスが来た瞬間に俺達の空気が凍りついた。

そしてルミナスは俺の隣に座ったのだ……

だが俺はそんなことよりも……

ルミナスの顔が真っ赤に染まっていたことに驚いた。

まさか……ルミナスって照れ屋なのか?意外すぎる事実を知ってしまった。

「ゆ……ゆうと……君?」

「なんですか?ルミナスさん?」

ルミナスは顔を俯かせてモジモジとしている。

「私とも……手を繋がない?」

「……っ!はい。良いですよ」

そう言って、俺の方に手を伸ばすルミナス。

そして、ルミナスの手を握る。

その手はとても小さく、そして柔らかかった。

ルミナスの手を握った時に俺達の間には火花が散った気がするのだが気のせいだろうか。

そして俺もルミナスもお互いを意識し過ぎて言葉を発しなくなった。

そのまま時間が経ち俺達は店を後にしてホテルへと向かうことにした。

ルミナスは相変わらず無言のままだったが、顔を見るとやはり顔は赤くなっていた。

ルミナスと手を繋いでいるからだろうか、とてもドキドキする。

そして、俺もルミナスも心臓が爆発してしまうんじゃないかと思うくらい緊張していた。

しかし、何故かルミナスとは会話をしなくても心地よい時間が流れるのを感じていた。

そしてついに俺達は部屋へと辿り着いた。

「じゃあ、俺は先にシャワー浴びてきますね」

「うん……」

「はい……」

俺とルミナスがベッドに座りながら返事をした。そして、俺は脱衣所へと向かった。

「よし。行くぞ!」

俺は服を脱ぎ浴室へ入ると湯船にはお風呂のお約束である…….タオルが浮いていた。

俺はそれを拾い上げて身体を隠すために使った。

そして、いざ浴槽へ足を踏み入れた時……

(ヤバい……これはダメですってぇ)

俺は声にならない叫びを上げた。

俺は今、とある理由でパニックに陥っていた。

「(入るまで気にしてなかったけど俺また胸大きくなってるじゃん!あ、アリスとかに毎回揉まれてるから)」

湯船に口まで入れてぶくぶくしながら

胸大きくなってるとは思わなかったので顔が少し赤いユウト。

少しして風呂から上がり

身体を拭く。

「お風呂空いたよ」

と言いながら出てきたユウトの裸を見た3人は固まった。

ある程度の、大きさの胸をちら見せしているユウトが居るのだから

全員胸を揉みたい症候群にかかっているのだ。

それに気づいたのかユウトはニヤリと笑い、

「ん?」

と首を傾げながら自分の胸に目線をやり両手を軽く広げる仕草をすると、アリスとルミナスの二人は我に返り、

「「今すぐ入りまーす」」

と言ってドタバタ音を立てながら走って行った。

俺はその後すぐに服を着替えたので大丈夫なのだがアリスとルミナスはかなりギリギリな状態だったようだ。

俺は2人が戻ってくるまでの間テレビを見ながらソファーに座って待っていた。すると、バスローブ姿の二人が戻ってきた。

「ふう、いい気持ちだったわぁ〜」

「ユウト君ごめんなさい。待たせちゃった?」

「いや全然待っていないよ。それより、アリスは髪を乾かさないと風邪ひくよ?」

「え、ユウトちゃんがやってくれるんでしょ?」

「はい?何言ってんの?」

「やってー!ねえねえユウトちゃん」

「はいはいアリスちゃん」

髪の毛を拭く。

「ねえねえ。今日は何の日でしょう?」

「え、なんだよいきなり」

「えっとね、ポッキーの日よ」

「おお、そういえばそうだな」

「そうよ、なのではい!これ」

「え、マジかよ」

「本当よ」

「ああ、そう」

「ええ」

「俺もやるよ」

「いいの?」

「いいよ」

俺達はお互いにポッ○―の両端を加えて少しずつ食べていく。

俺達の唇はあと数センチで触れるところまで来ていた。

そして俺は意を決して一気に食べた。

キスをする寸前で止められてしまい残念そうな表情を浮かべているルミナスを横目に見ながら俺は言った。

「ねえ、ルミナス」

「なぁに?ユウトちゃん」

「一緒に寝ない?」

と、言うと 彼女は顔を真っ赤にして小さな声で

「はぃ」と答えた。

俺達は部屋の電気を落としてダブルベットに入る。

そしてルミナスと手を繋ぎ目を瞑る。

俺達は二人とも疲れ切っていたからか直ぐに眠りについた。

翌日 目が覚めると俺はルミナスの腕の中にいた。どうやらうたた寝をしていたらしい。

「可愛い……私のユウトちゃん」

ルミナスは小動物でも愛でるような優しい笑顔をしている。

そして俺の頬に優しく手を当ててきた。

俺達は朝食を食べ終えてチェックアウトの準備をして部屋を出た。

俺達は荷物を持ちエレベーターに乗ると最上階へ向かった。

「じゃあ行ってくるわ」

「行ってきます」

「じゃあね〜」

と手を振ってルミナスを見送った。そして、俺は扉に背を向けた瞬間、突然後ろから抱きしめられた。

その人物は当然、一人しかいない。

彼女の名はアシュリー・ラピス。

俺の恋人の一人だ。

そして、俺の首元に手を回してギュッとしがみついてくる。

「ゆうくん……寂しいよう……早く帰ってきてね……私のゆうくん……」

シュリーは毎日のように甘えん坊モードになるのだ。

「女の子同士だけどゆうくんは特別。だって特別扱いしないし女の子達全員に愛をくれるんですもの」

そう言いながら、俺に抱きつきスリスリしてくる。

「うん、分かったよ」

「絶対だよ?」

「もちろんさ」

俺達は少しの間、そのままの状態でいることにした。

俺達が居なくなった後の話になるがルミナス達と別れてから、ずっとアリスがルミナスに文句を言いまくり喧嘩になったのだが何とか仲直りした。

俺達は、これからも皆で仲良く幸せに過ごしていきたいと改めて強く思ったのであった。

「ユウト様。朝ですよ起きてください」

と、声が聞こえた。

俺は目を開けると目の前にアイナの顔があった。

俺が起き上がるとベッドの横にある椅子に座った。

「おはようございます。ユウト様」

「うん。おは……っ!」

あれ、どうしてだろう……

俺はある違和感に気付いた。

「ふむ、気づかれましたか?」

「あ……うん。あの……なんというかな……大きくなってるよね?」

「はい!少しだけ成長させていただきました!」

「そっか……大きくなったんだね」

「はい!」

俺は苦笑いをしながら答えた。

そして、俺は着替えようと立ち上がった。

「では私はここで失礼します」

と言って一足先に部屋を出て行った。数分後

「じゃあ行きましょう」

「あ、はい」

昨日の夜はあんなにも大人しかったのに今はいつも通りに戻ってしまった。

俺は自分の身だしなみを済ませて、宿を出る。

「今日は何をしようか?」

と、聞くと、

「うーん、そうですね。まずは、冒険者ギルドに顔を出してみませんか?」

「そうだな。俺も久しぶりに見ておきたいと思っていたところだった」

「分かりました。では、早速向かいましょ?」

「ああ」

2人で歩き出したが少し歩くと人混みの隙間から誰かがこちらを見ていることに気づいて振り向くとそこにはアリスが立っていた。

俺はアリスに向かって軽く手を振ると彼女はこっちに来たので一緒に行くことになった。

そしてアリスと一緒に歩いていくと、あっと言う間に着いて中に入ると

「ユウトちゃんはちゃんと今日はサラシ巻いてるの?」

「当たり前だろ?ブラもいいけどサラシのが動きやすいからな」

俺は女の子だけど基本男モード全開である。

まぁ最近は女の部分の方が多くなってきた気がするんだけどね。

「ねえねえ。ところでアリスはどのランクなの?」

「えっと、A+だったはず」

A+というのはB−より1つ上のクラスであり、トップの冒険者の中の数人しかなれないものなのだ。

「へぇ〜。凄いなぁ〜」

と、呟くように言ったつもりだったのだが周りの喧騒のせいでかき消されてしまった。

しかし、運良く近くに居てくれた受付嬢のお姉さんには聞こえていたようで、

「私なんかよりもあなた方の方がすごいと思いますよ?」

「え?そうなのか?」

「ええ、この王都を救ってくれたのは紛れもなく貴方達なのですから」

そう言われて嬉しくなってしまった俺は照れた。

すると横で俺と同じような表情をしている人がもうひとりいた。

そう、ルミナスだ。

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