第63話 八雲と水族館!
「じゃあ集合時間に遅れないようになー!ルールを守って楽しめよー!」
修学旅行二日目、俺たちは水族館へと到着した。空は安定の曇り。それに強風のオマケつきで肌寒い。しかし…俺は今それどころではない。
「おいおいお前ら〜ラブラブだなあ。」
「う、うるさいな。」
水族館での行動は私服。俺はいつぞやのいとこのマイがくれたパーカーを着ていた。
そしてお察しの通り
家で服を選んでる際、考えるのもめんどくさいし安定のパーカーにしたら八雲も同じの着ても良いかと聞いてきた。
学校のみんなに見られるのはちょっと恥ずかしいなぁ…と思ってたが「一緒に写真撮りたくて…ダメですか…?」と言われてしまったので「いいよ」と即答してしまった…。
まあでも…実際歩いてみたらめちゃくちゃ恥ずかしいワケでもない。黒と白のシンプルなデザインだし周りにパーカー着てるヤツらも多い。マイにもお土産買ってやらないとな…、
「
駐車場から建物までしばらく歩いたようだがようやく着いたらしい。八雲が振り返ってきた。
「いっぱい写真撮りましょうねっ!」
俺の手を握って微笑む。
「うん。」
どうしてこんなにも…可愛いのだろうか…。
ニヤけそうになる顔を抑え、建物に入った。
——————
「マツリサン。どうすか、調子は。」
湊たちの後ろに並んで歩いていた
あと鼻にティッシュも。
「
「だな。」
二人は引き続き湊と八雲について行った。
しかし…爽やかなジャケットを羽織り、ふんわりと髪をなびかせる紫央、超高級そうなブランド品に身を包むまるでハリウッド女優のような存在感を放つマツリさんはあまりにも一般のお客さんからの視線を引きまくっていた…。
そして二人の視線の先…銀髪の超美少女にもだ…。
地元では「アイドルと俳優でも来たのか!?」と少し話題になったという。
——————
「おおっきぃ…!」
現在、絶賛水族館をお楽しみ中だ。目玉のジンベイザメエリアはただでさえめちゃくちゃ人が多いって言うのに、所狭しとぎっしり埋まっていて見るのすら一苦労…。正直回るだけでめっちゃ疲れる…。
しかし八雲が雄々と泳ぐジンベイを見て驚いたり、面白そうに笑ったり、高速で泳ぐマンタにはしゃいだり、ころころ変わる表情が無邪気で可愛い。疲れがふっ飛ぶぜ。
「湊くんいまいま!」
すると八雲が俺の手を引いて呼ぶ。
ハッとして周りを見てみるとなんと人の気が減って丁度水槽の前が空いていたのだ。
急いで八雲の元へと行き、とりあえず場所を取る。
「じゃあ写真撮りましょっか!ほらほら、みんなもっと寄らないと。」
「え、良いのか?湊と二人で撮りたいんじゃねえの?」
「そうだよ?あれだったらボクと
「もちろん湊くんとも撮りたいですけどそれはまた別で撮りますので大丈夫ですよ?それに私はみんなとも思い出残したいですし!」
「そゆことだ。ほら、詰めて詰めて。」
あんまり長居すると他の人たちに迷惑がかかるのでなるべく早く済ませるために四人で詰めて並んだ。
そして悔しいが四人の中で一番手の長いマツリさんにスマホを持ってもらう。
「それじゃ撮るよみんなー!3、2、1!」
パシャ!
「うん!すっごく良いです!後でみんなに送りますね。」
「サンキュー!」
「
「じゃあ八雲。」
マツリさんから八雲のスマホを受け取り、さっと彼女を抱き寄せた。
「きゃっ!」
「早く撮らないとなっ?」
「お、大胆になったなあ湊!」
「も、もぉ…湊くん、不意打ちはダメです。」
「ごめんごめん。じゃあなんかポーズでもとる?」
「んー…無難にピースでもしときますか。」
「はは、賛成。こう言う時どういうポーズしたら良いとか分からないから助かる。」
「恥ずかしながら私も…。でもどんな風に撮っても湊くんがいれば大好きな一枚になりますからねっ!」
「…っ!し、仕返しされた…。」
「ふふ。ではお願いします。」
「おーけー。」
スマホのカメラを開いて腕を上げる。
いわゆる自撮りなのでお互いの距離はぐっと縮まる。しかし恥ずかしがってためらっても時間がかかるので頑張って耐える。
「撮るよー、はいチーズ」
パシャッ
撮れた写真を確認するために二人でスマホを覗く。うん…我ながらよく撮れてる…が若干恥ずかしさに負けて体が硬くなってるのは本人の俺にしか伝わってないか心配だ…。
「良いですねー!けど湊くぅん?」
スマホから顔を上げて俺の顔をニヤッと見てくる。
「な、なんだよ。」
「んふふ。なんでもないですっ!さ!次行きましょ!」
「おうよー!ほら、湊!突っ立ってないで行くぞ。」
「
「…………」
なんか…バリバリみんなにバレてそうでちょっと恥ずいんだが……?
☆☆あとがき☆☆
本日ありがとうございました!
ついにカクヨムコンの応募受付も終わってしまう時期になりました…。
ここまでやれてこれたのはみなさんのおかげです!これからも引き続きよろしくお願いします!
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