第59話 八雲と飛行機
「見て見て!動いてますよ飛行機!」
「だな。そろそろもっと早くなるんじゃないか?」
そりゃ動くだろ、と思ったがテンションの高い彼女のためにも水を差すような発言は控える。
無事に俺たちは飛行機へと乗り込み、今しがた動き出したところだ。
席は班で固まるので窓側の席に
マツリさんは「こんなに密着すると
「
隣から紫央が声をかけてきた。
「うん。親の仕事の都合で何回かある。」
「へぇ。なんか羨ましいな、俺も海外行ってみてー。」
「私も行ってみたいです。テレビで見たところとか実際に見れたら楽しそうですよねぇ。」
「はは、でも確かに海外は楽しいよ。日本と全然違うところもあるし似てるとこもあるから。」
話していると、機内アナウンスが流れてきて飛行機の揺れが強くなってきた。
そろそろ飛び立つのだろう。
「八雲、多分そろそろ飛ぶからちゃんと座っときなよ。」
「やっぱり結構…揺れますか?」
「まあまあ。なんか無重力になった感じ。」
「なんだそれ。面白そうじゃん。」
紫央が楽しそうに飛ぶのを待ってる中、反対に八雲は少し心配そうな顔をしている。
するといつのまにか俺の腕はひしと八雲に抱かれていた。
「あら、八雲さんどうされました?」
その姿が可愛くてちょっとからかってみる。
「ちょ、ちょっとだけ怖いだけですぅ…。ですのでこうして湊くんの腕を抱きしめることにしました。」
「はは、可愛いな。」
「むぅ…」
余裕のある俺に不満がありそうな顔でじろっと見てくる。しかし段々と揺れが強くなるのにビクッともしており可愛い。
ガタンッ!
ついに飛行機が離陸し、ふわりとした感覚が機内を包んだ。
「わっ…!」
より一層腕を抱き締める力が増したがすぐに八雲の顔は心配そうな顔から明るい顔になった。
「おお!本当じゃねえか!なんかジェットコースターみてえだな!」
「確かに…ほんとですね!それに空すごく綺麗ですよ!」
窓を見た八雲がわくわくしたように俺の方を見た。二人とも新鮮でおもしろい。
「じゃあもう怖くないな?」
「んんー…。」
握りしめる腕を見て八雲は悩んだように唸った。
「やっぱり抱いてたいのでこのままにしますっ!」
にこっと誇らしげに言った八雲。
その姿が可愛すぎて……
「わあっ!急に何するんですか湊くん!」
思わず頭をわしわしと撫でてしまった。
☆☆あとがき☆☆
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