第24話 氷の女王ヒルダリア
だがフェルディナントは迎撃の為に城内に入り、両者は廊下で対峙する事となった。
「……新顔ですね。容赦はしませんよ」
覆面をしていないカエデ。
フェルディナントは目の前の少女がかつて自分たちが
それを知らせた所で互いに何のメリットもデメリットもない。
だから彼女もそれを告げようとはしなかった。
長弓を置き剣を手にしている銀髪の騎士。
弓の達人である彼だが剣を不得手にしているというわけではない。
近接戦闘においても大隊内でトップを争える腕だからこそ親衛隊の副隊長に選抜された。
そしてカエデ。
彼女は同じ親衛隊のジグラッド相手に遅れを取ったばかりだ。
だが、あの時とは状況が違う。
不慣れな背後に守るべき対象を背負った状態での戦いではない。
短刀を構えた彼女は鋭く呼気を吐くと迷わず騎士の懐へ飛び込んだ。
────────────────────────
先を走っていたリューが足を止めた。
「……リュー? どうしました?」
クリスティンも足を止める。
広い通路の真ん中だ。
周囲に親衛隊の姿はない。
明るい真昼の王城内も人影が無いとどこか寒々しく感じるものだ。
このまま通路を真っ直ぐ進めば謁見の間。
通路の左右にはどちらにも上階への階段がある。
「……待ち構えているな」
赤い絨毯の敷かれた通路の奥を見てリューが言う。
言われてみればクリスも通路の先から冷たい風が吹いているような気がした。
誰かが……あの先にいる。
自分たちへの強い殺意を持って。
「女王様……でしょうか……」
「わからない。だが、倒しておく必要がある。この殺気……この先の何者かは俺たちをこの城から生かしては帰さないつもりだ」
リューは通路の奥へと歩き出す。
メイヤーが自分の足で逃げられる状態なのかもわからない。
この先仲間の誰かが負傷する可能性もある。
不利のない今の内に叩いてしまうべきだと彼は判断した。
少し進んで……リューは振り返った。
「……来てくれ、クリスティン」
「!」
目と目が合って、一瞬お前は来るなと言われるのかと身構えていた彼女だったが……。
「わかりました。行きましょう!!」
むん!と両手の拳を胸の高さに上げて気合を入れてからクリスティンはその彼に並んで歩く。
赤い髪の男は一瞬ちらりとクリスを見たが何も口にはしなかった。
2人は通路を進みその先の大扉に辿り着いた。
吹き抜けの3階部分まである巨大な扉を押して開く。
大人の男が体重を掛けて全力でやる作業をクリスは片手で軽々とこなす。
広い空間にギギギと扉の軋む音が響いた。
広大な謁見の間は側面のステンドグラスから差し込む光で照らされている。
そして、その先に……。
玉座に誰かが座っている。
女王ヒルダリア。
彼女は完全に武装して2人を待っていた。
濃い青いドレスに黒の鎧……そして口元のみ露出した左右に大きな角を生やした兜を装着している。
兜の顔の部分の上半分は獣か悪魔のような吊り上った目の恐ろしげなデザインだ。
悪夢の世界の住人か……地獄よりの使者か。
大陸有数の国家の最高権力者のそれとは思えない禍々しく不吉な姿であった。
そしてその恐ろしさと攻撃性に満ちた装束とは裏腹に、気だるげに……肘置きに置いた右手を傾けた右頬に当てて女王は来訪者を見ている。
その姿にはどことなく虚無感が感じられた。
「幾度と無くわたくしの邪魔をしてきた腕利きにしては、可愛らしい見た目をしているのね……クリストファー・緑」
「何故俺たちを城へ呼び寄せた」
女王の軽口には応えないリュー。
その事に別段気を悪くした風もなくヒルダリアの佇まいに変化はない。
やがて……ふう、と女王が軽く息を吐く。
「大きな仕事をする前に付いたケチを払っておきたいだけよ」
ゆっくりと女王は玉座から立ち上がった。
そして、玉座の隣に置かれていた
「もうすぐ、カーライルを攻めるわ」
「……!!!」
まるで食事にしよう、とでもいうように何でもない口調で言う女王にクリスティンの表情が凍てついた。
「貴方たちごときにいいようにされたままで始める戦争なんて
「……どっ、どうしてですか!? 女王様!! なんでせっせっせっせっせっせっ……」
動揺して言葉に詰まりまくっているクリスティン。
「落ち着きなさい、言えてないわよ。……それと、わたくしの意図を貴女に説明する必要性は感じないわ。身の程を弁えなさい、クリスティン・イクサ・マギウス」
女王の冷たい言葉に絶句するクリスティン。
「験が悪いと言うのなら戦争などやめておくことだ」
言葉を失ったクリスに変わってリューが口を開く。
「俺たちへの報復もな。どちらもお前は失うだけだ、益がない」
「あら、言ってくれるわね。……試してみる?」
手にした斧槍を構える女王。
その全身からゆらゆらと不気味な黒いオーラが立ち昇る。
(恐らく聖遺物。だが、親衛隊を巻き込んで『聖域』を使うか?)
腰を落とし構えを取るリュー。
隣で慌ててクリスも大剣を構える。
玉座の前方の誰もいない空間に向かってヒルダリアは斧槍を振り下ろした。
何も無いはずの空間で女王の一撃は甲高い炸裂音を残す。
ギィン!!!!
『
だが身構える2人の前で、予想した変化は起きなかった。
これまでのように世界が砕けて崩れ落ちていかない。
ただ、空間に斜めに走る裂け目だけがある。
そしてそこから吹き付けてくる猛吹雪。
あの裂け目の向こう側は吹雪いている。
「聖域は無差別攻撃……そう認識している?」
兜から見えている口元の……その艶やかな唇に笑みを形作る女王。
「多くはそうね。だけど何十年も妥協せずに鍛錬を続ければこういう事もできるようになる!!」
声高に告げた女王は裂け目の縁を掴んでグイッと引っ張った。
裂け目は広がり2m四方の穴になる。
向こう側の雪と氷の世界がはっきりを見えた。
「来なさい、私の世界……『
女王のその一言に応じて吹雪の勢いが一気に強まった。
立っているのも辛いほどの強風と氷雪に一瞬2人の視界が白く閉ざされる。
その時、空間の穴から伸びた氷でできた巨大な腕がクリスティンを掴んだ。
「……あぁっっ!!??」
「クリスティン!!!」
伸ばされたリューの手が虚しく空を切る。
氷の腕によって向こう側の世界に連れ去られたクリスティン。
赤い髪の男は迷わず床を蹴って自ら空間の穴に身を投じた。
それを見届け女王も広げた穴から聖域へ足を踏み入れる。
女王が吹雪の世界に消えると空間の穴は閉じ、謁見の間には人影はなくなった。
────────────────────────
ガシャン! と派手な音を立てて廊下に剣が投げ出された。
呻きながら数歩下がった銀髪の騎士。
フェルディナントは苦悶の表情で右腕の二の腕を左手で押さえている。
その手は真っ赤に染まり指の隙間から滴った血が廊下にぼたぼたと垂れ落ちていた。
「その傷じゃもう剣も弓も使えないだろ」
油断なく短刀を構えつつ言うカエデ。
彼女も全身に無数の傷を負っているが深い傷はなさそうだ。
痛みに表情を歪めながら彼女を見ているフェルディナント。
「バカにしてるのか。悩みながら戦ってる奴になんか私は負けない」
カエデの声に僅かな怒りと苛立ちが滲んだ。
相手の攻撃のほんのわずかな迷いを彼女は感じ取っていたのだ。
フェルディナントは観念したように目を閉じて長く息を吐くと片膝を床に突いた。
「貴女の勝ちですね。……殺しなさい」
「殺さない。お前を殺せば……クリスティンが、きっと悲しむから」
黒衣の少女は背を向ける。
「もう私たちの邪魔はするなよ」
それだけ言い残してカエデは走り去った。
残されたフェルディナントは胴鎧と小手を脱ぎ捨てると引き裂いたマントで傷口を縛り上げて止血する。
その横顔には苦味の混じった虚無感だけがあった。
もう彼に戦意はない。
だがそれでも……顛末は見届けなくてはならない。
よろめく足取りで階段を下り始めるフェルディナント。
隊長に、オーギュストに合流するつもりなのだ。
階下に到着した彼は曲がり角を走ってきた男とぶつかりそうになる。
「……っ。何奴ッ!!」
利き腕ではない左手で咄嗟に剣を構えたフェルディナント。
しかし目の前に現れたのは敵ではなかった。
「おぉ? なんだよぉ~フェルディナントじゃねえかよ。ひでえザマだな……やられたか」
「ベガ!? お前が何故ここに……」
現れた巨漢はかつての同志ベガであった。
除隊しとうに城を去ったはずの男……当然彼は私服姿である。
「いや、それがまあ……やっぱ気になっちまってよ……」
「仕方の無い男ですね。今のお前は侵入者で、私はお前を捕えなければならない立場なんですよ」
渋面で言うフェルディナントにばつが悪そうにベガは後頭部を掻いている。
「罰みてえのは後でちゃんと受ける。とりあえず、オーギュストのやつはどこだぁ? あいつも戦ってんのか」
「この先が持ち場のはずです」
言いながらもう歩き出しているフェルディナント。
今は脱退者とごちゃごちゃやっていられるような状況ではない。
オーギュストの様子を確かめに行きたいのは自分も同じだ。
歩き出したフェルディナントの後ろを黙ってベガが付いていく。
そして2人はロビーに来た。
「……………………………………………」
目の前の光景に言葉を失うフェルディナントとベガ。
何人もの親衛隊の騎士が床に倒れている。
息があるのかないのか、動ける者はいないようだ。
そしてその累々と倒れる騎士たちの中で対峙する2人がいる。
鞭を構えるキリエッタ。
大剣を構えるオーギュスト。
キリエッタは無数の傷を負ってはいるもののまだまだ余裕が窺える。
呼吸も乱れていない。
対するオーギュストの有様は凄惨であった。
全身を打ち据えられて血まみれだ。面相も変わり果ててしまっている。
息も絶え絶えな刀傷の男は既に気力だけで立っているような状態である。
「まだ……まだぁ……」
掠れた声で言ってオーギュストが前に出た。
キリエッタは容赦なくその彼を鞭で打つ。
空気が震えるほどの打撃音が響き渡り、オーギュストは吹き飛ばされて床に転がった。
もうダメだ。
立ち上がれない。
見守る2人がそう思ったが、オーギュストは震える手を大剣へと伸ばしそれを掴み取る。
「……まだだ……まだオレは……終わっちゃ……いねえ……」
ガクガクと激しく揺れる膝で大剣を杖に立ち上がろうとするオーギュスト。
キリエッタは再度彼に向けて鞭を振り上げる。
「待てーッ!!! 待ってくれ!! キリエッタ大隊長!!!」
その両者の間に叫びながらベガが割り込んだ。
「もう終わりにしてやってくれ。コイツはもう戦えねえ! アンタの勝ちだよ!! 勘弁してやってくれ!!!」
床にひれ伏して何度もベガが頭を下げる。
その彼にキリエッタは僅かに眉を顰めた。
「それはアンタが決める事じゃないだろ?」
「その通りだ!! でもコイツ、馬鹿だから引き際がわかんねえんだよ!! 命だけは許してやってくれ!!」
そしてフェルディナントもその身を投げ出すようにベガの隣にひれ伏す。
「私からもお願いします! 降伏します!! どうか……どうかオーギュストの命だけは……」
2人は額を床に擦り付けるようにして必死に何度も頭を下げた。
その様子をキリエッタは少しの間興味なさげに眺めていたが……。
「……見なよ」
促され平伏していた2人が背後を振り返る。
そこにはまだ大剣を構えたオーギュストがいる。
……だが、彼の目はもうどこも見ていなかった。
歩み寄ったキリエッタがオーギュストの胸甲を軽く拳で小突くと彼はまるで糸の切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちる。
「知ってんだろ? アタシは倒れた奴は攻撃しない。後は好きにするんだね」
「……あ、ありがとうございます!!」
言い残してキリエッタがロビーを出ていく。
その後ろ姿に2人が再度頭を下げる。
それから立ち上がったベガとフェルディナントは意識のないオーギュストに駆け寄った。
「……どうするつもりなのですか?」
「知らねえ! わかんねえよ。とりあえずこいつを
怒鳴りながらオーギュストの鎧を脱がしにかかるベガであった。
────────────────────
ヒルダリア女王の聖域『
……それは白い地獄。
極寒の猛吹雪の世界だ。
まったく視界もきかない吹雪の中に平然とヒルダリアは立っている。
「これで終わりよ。わたくしが手を下すまでもない。凍死するまで後何分かしらね」
彼女の言葉にはセリフの内容とは裏腹に勝ち誇ったような響きはなく、どこか虚無感と疲れを滲ませていた。
そしてこの世界を創生した女王と同じように、リューとクリスティンの2人も今ごうごうと吹き荒れる氷雪の嵐のただ中にいた。
呼気さえもが瞬時に凍てつく世界で2人は身を寄せ合っている。
「リュー、もっとくっついてください」
小柄な赤い髪の男を抱え込むように抱きしめているリュー。
腕の中のリューは彼にしては珍しく落ち着かない様子だ。
身体に流れるドラゴンの血故なのか……クリスティンは冷気にも若干の耐性がある。
だがそれにしても遠からず凍え死ぬのは避けられそうにはないが。
「クリスティン、聞け」
「……はい?」
歯を食いしばって寒さに耐えながらリューが口を開いた。
「今からこの世界を破る。破壊して元の世界に帰還するぞ」
「そんな事ができるんですか!?」
聖域を破るには内部で術者を倒すしかないと思っていたクリスティンは驚いている。
「ああ、お前なら……お前とその剣があれば可能だ、クリスティン」
リューはクリスの背負っている竜の牙の大剣を見てそう言った。
聖遺物を持つ者たちの使う恐るべき結界魔術『
「え? ……ええ??? わ、私とこの剣ですか?」
吹雪の中でクリスは目を白黒させている。
自分が、というのも何故大平原で獣人から奪ってきたこの剣がいるのかもまったくわからない。
───話はクリスティンたちが王家の別荘で生活していた頃に遡る。
別荘の書庫……その書棚の前で真剣な顔である書物に目を通しているリュー。
王家の所有の物件らしくここの書庫には一般には出回ることのない書物も収められている。
「……面白いものを読んでいるな」
その彼に背後から声を掛ける者がいる。
感知のオーラでその接近を知っていたリューに驚いた様子はない。
振り返った赤い髪の男の視線の先でアルゴールが優雅に椅子を引いて腰を下ろす。
「歴史に興味を持ったか? クリストファー」
「ああ。あの
聖堂騎士の中で聖遺物と呼ばれる武具を持つものが使う特殊な結界魔術『
「聖堂騎士団はあれを女神の加護を受けた武具で『聖域』は女神の力を借りて使う能力だと謳っているが」
「そんなものは出鱈目だ」
言下にアルゴールは否定する。
「聖堂騎士の権威付けとその力の
白い服の紳士はそう言うと視線を遠くへ向ける。
「若い頃、お前と同じことを調べたことがある。王都でも有数の名家だった私は様々な伝手を使い王城の禁書を読んだのだ。クリストファー、お前はレム・ファリアスという失われた国の事は知っているか?」
「知っている。古王国レム・ファリアス……大平原から来た蛮族王に滅ぼされた国だ。そしてその跡地にバルディオンとカーライル、2つの国ができた」
リューの答えにアルゴールが静かに首を横に振る。
「歴史のテストなら満点の答えだ。だが、事実はまったく異なる。蛮族王はレム・ファリアスを滅ぼしてはいない。古王国の姫によって撃退されている」
「ならば何故古王国は滅びた?」
リューが問い、アルゴールは目を閉じる。
「よくある話だ。古王国は裏切りによって滅びた。主導者は2人、古王国の騎士団長だったフォルキス・バルディオンと文官の頂点にいた賢人アルタナ・カーライル。その古王国の両翼とも言える2人が裏切り王家の者たちは討たれ、国は滅びた。裏切りの両名は王国の滅亡を蛮族王の仕業として罪を押し付けると跡地にそれぞれを王として2つの国家を設立した」
まるで講義のようにすらすらと言葉を紡ぐアルゴール。
リューは黙ってそれを聞いている。
「裏切りは何故おきたか? 理由は様々なものがあるだろうが、大きなものの1つにドラゴンの存在がある」
ドラゴン……その言葉にリューの眉が僅かに揺れる。
一瞬彼の脳裏を銀の髪のシスターの姿がよぎった。
「古王国レム・ファリアスとは人と竜の暮らす国だった。王家の者たちは竜を自在に駆って空を征したという。だが国内にも竜を恐るべき魔物として忌む者たちもいた。そういった者たちの不満が反逆の一因であった事は想像に難くない。事実……後に出来た2つの王国では竜を徹底的に排斥し歴史からその事実を消した。特に古王国と竜の関係については禁忌とされ秘匿されている」
席を立つアルゴール。
彼はゆっくりと歩き窓辺に行くと振り返った。
「聖遺物、あれは古王国の精鋭騎士たちが所持していた武具であり、ドラゴンの魔術が込められた武装だ。元々空間を操る魔術は一部のドラゴンが得意としていたものだ。その存在は忌みながらも優れた武装である聖遺物を手放す気はなかった後の世の者たちは伝承を上書きする事で使用し続けたというわけだ」
「ドラゴンの魔術か……」
ドラゴンといっても下位のものは知性も理性も乏しい魔物も同然なのだが、高位のものになると数千年を生きて人では扱いきれないようなハイレベルな魔術を使うものもいたという。
聖遺物とはそういう竜の魔術の結晶だったのだ。
「さて、そこでお前が知りたがっている聖域の破り方だが方法がないわけではない」
白衣の智者は更に言葉を続けるのだった。
───そして現在。
大剣を構えているクリスティン。
「ちょ、ちょっと……! もうまったく前が見えてないんですけど!! すぐそこのリューももう見えてないです!! リュー!? そこにいるんですよね!!?」
必死に叫んでいるクリス。
「ああ! 俺はここにいる!! 側にいるぞ!!」
叫んで答えるリュー。
だがその声は徐々に力が失われつつある。
……やり方はもう彼女に伝えてある。
『帰る』と強く念じてこの世界を力を込めた一撃で穿つのだ。
『何も真正面から結界を粉砕する必要はない。閉じ込められた者が外に出た時点でこの術は意味がなくなる。帰れるだけの小さな入り口を開ける分、術が中和できればそれでいい』
かつてアルゴールがリューに語ったことである。
必要なものは聖域の術者同様にドラゴンの魔術に適性のある者とその力を伝える何か。
クリスティンはドラゴンの血を引いている。
そしてその彼女が手にするものは竜の牙を研いだ大剣だ。
……これ以上の組み合わせはない!
「やれーッ!!! クリスティン!!!!」
リューの叫びに答えてクリスが大剣を大きく横に引いた。
「……どっこらせー!!!!!!!」
そして雄叫びと共に横薙ぎにされた大剣は吹雪を裂き、その先にあるはずのない『何か』を砕いて散らせたのだった。
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