第二章 もうこのヒトが犯人では? その①
今私はレモン令と二人で、北欧のどこか山奥に建てられたお城の前に立っていました。
因みに今の季節は夏のはずなのですが、めちゃくちゃ雪が降っています。猛吹雪です。
北欧と日本って同じ北半球のはずでしたよね。
多少の違いはあれど、季節もそこまで変わらないと思っていたんですが。
やれやれ、いつの間に北欧は南半球にお引越ししたのやら。
……夏服で来ちゃった私馬鹿みたいじゃないですか。
「寒……い。死、ぬ。おお、お家、帰りたいです」
「ん? ああそうか。人間だと寒いよなここ」
私の魂からの訴えにそんな人外発言をかますのは、最近吸血鬼になったレモン令でした。
レモン令も私と一緒の半袖のはずなのに、全く寒くないご様子。
……これだから人外は。
そんな『女子だとこの部屋冷房効きすぎだよな』的なニュアンスで喋るコイツに殺意が湧きます。こっちはマジに命の危険を感じているんですよ馬鹿野郎。山奥の猛吹雪舐めんな。
「は……は、やく、な、中へ」
あと一分でもここにいれば間違いなく私は凍死します。
こんなに早く死んだ彼氏と再会するとか、気まずいどころの話じゃない。
というかまだ、あの『取り決め』……後始末が果たせていないんですけれども。
そんな私の悲願が通じたのか、やっと私の家より大きい城の門が開きました。
そして開いた門の先にいたのが、
「ふむ。よく来たな我が城へ。歓迎するぞ佐藤恵梨香……それにレモン令よ」
吸血鬼の真祖にしてお姫様で鬼島令のヒロインの内の一人、ライラ・リベ・デモニッション・アーカードさんが立っておられました。
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