第33話 やっぱりサービス回はいい
創作物には必ずと言っていいほどサービス回が存在する。
いわゆるお色気シーンや、ヒロインたちにスポットライトが当たる話だ。
ラブコメでは定番だが、最近はジャンルに限らない。
当然、ソードマジック・ファンタジーにもある。
原作で言う所のブリジット編が無事に終わり、いつもの学校の日々が戻ってきていた。
そして、何をしているのかというと――。
「エマ、その
「ありがとうございます! でも、ルビィさんのフリルの赤い水着も、凄く可愛いです!」
学園が所有しているプライベートビーチに来ていた。
白い砂浜、照り付ける太陽、そして美少女。
ルビィは、炎のような赤い水着を身に着けていた。
意外にも結構たゆんたゆんしている。
スラリと手足の長いエマは、ホワイトのくびれが強調されている水着だ。
たゆんとしていて綺麗だ。
「あ、あのデルクスくん」
「おお、アクアか」
後ろを振り返ると、髪型と同じブルーの水着を着ているアクア。肌はあまりみえないが、奥ゆかしさもある。
得意の
なぜかマシュマロを思い出す。
しかしアクアは、なぜかずっと俺の身体を見ていた。
……なんだ?
「どうした?」
「あ、いや凄いなぁって……」
「凄い? まあ確かに鍛えてるからな」
「え、ええとそれもなんだけど、その、なんというか。き、傷が!?」
「傷?」
己の肉体美にうっとりしながらも自身の身体に視線を向ける。
言われてみれば、確かに傷だらけだ。
最近だとブリジットと戦ってついた傷もある。
まあほとんどはリミット先生や魔物だが。
男の勲章だな。
「痛くないの?」
「もう完治してるよ。それに誇らしくもあるさ。頑張ってきた証だからな」
「……そうだね。そうかも。でもいつか私が治癒とか覚えたら、綺麗にしてあげるね」
そう言いながら、アクアはなぜか俺の身体、というか傷に触れた。
本人も気づいていなかったらしく、すぐに慌てふためいて頬を赤くさせた。
……天然たゆんめ。
海に視線を向けると、原作主人公のオリヴィアと、百合百合のルナとエヴィル。
オリヴィアは、性格通りの豪傑風な水着かと思いきや、定番でありながらも可憐な黒いワンピース。
ルナとエヴィルは、お揃いの形の色違いでピンクとパープルだった。
ちなみに二人がどこまで進んでいるのかはわからないが、仲良くはしているみたいだ。
そのとき、オリヴィアと自然を目が合う。
すると、なぜか歩いてくる。
獲物を見るような目で。
「え、えな、なんだ……?」
慌てて周りに視線を向ける。
ルビィ、エマ、アクアは3人で水着について語り合っている。
やがて辿り着いたオリヴィアが、俺の身体をじろじろとみていた。
ほぼゼロ距離で。
「な、なんだ?」
「随分と鍛えているな。さすがだ」
アクアのように触れてくることはなかったが、また別な意味で関心しているらしい。
ちなみにオリヴィアのたゆんはめちゃくちゃいい感じのたゆんだ。
およそ男性の9割が好きなたゆん。
想像は任せる。
腹筋はバキバキだが、二の腕はちゃんと柔らかそうである。
というか、なんか頬が……赤くないか?
「大丈夫か? 火照ってるぞ」
「ふぇ? え、ええ!?」
「海沿いとはいえ太陽に当たってるからな。ちゃんと水分とって、ほら休んだりしとけよ」
俺は、地面に置いてあった水筒を手渡す。
オリヴィアは受け取ると、これまた頬を赤らめた。
性格上、遊びも全力でやってしまうのだろう。
心配そうにやってきたルナとエヴィルに任せて、その場を後にした。
というか、あんまり仲良くしたくないからだ。
俺たちは敵同士。ゆめゆめそれを忘れてはならない。
「オリヴィア、なんで泣きそうなの?」
「ルナ、私は……嫌われているのか。やはりこの身体が、女らしくないからだろうか」
「え、ええ!? エヴィルちゃん、そんなことないよね?」
「うん、オリヴィアの身体は凄いよ? 2つの意味で!」
「そ、そうか……。まだ鍛えが足りないかもしれない。もっと頑張るか」
俺は、ルビィたちと日向ぼっこしながら、オリヴィアたちを眺めていた。
どうやら仲良くしているらしい。
うむ、原作通りに進んでくれるのはありがたい。
だが次の授業、オリヴィアはなぜか更に強くなっていた。
理由はわからないが「更に鍛えてきたぞ」と笑顔だった。
原作以上に強くなっていく彼女の生態は謎だ。
これが、主人公補正……。
もっと頑張らねば。
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