第13話:まじで迎えに来たキン斗雲。

ある日のこと、明日香ちゃんが血相を変えて俺のそばにやってきた。


「辰也くん・・・来たみたい」


「え〜じゃ〜今夜できないの? 俺欲求不満になっちゃうよ」


「何言ってんの・・・生理じゃないし・・・」


「じゃ〜なに?宅配便?」


「アホたれ」


「とうとうエロ親父が下界に降りて来たって言ってるの」

「私のあそこが疼くのよ・・・」


「なんだよ、どこで感知してんだよ」


「辰也君、逃げなきゃ」

「私、悟空ちゃんに連絡してキン斗雲回してもらったから」

「そこのベランダからそっと出よう」


俺の天女様がそう言うから、明日香ちゃんをつれてベランダに出た。


「見つけたぞ、明日香!!」


「あ、はえ・・・さすが伯翔李天、もう来やがった」


「どこへ逃げたのかと思ったら、こんなところでしょうもない人間と

暮らしておったか? 」


「エロ親父・・・しつこいよ」


「そうだそうだ、明日香ちゃんは俺んとこで幸せに暮らしんだから

手を出すな、エロ親父 」


「うるさい人間、切り刻んで豚の餌にするぞ」


「明日香ちゃん・・・あいつあんなこと言ってるよ」


ハッタリ、ハッタリ」

「すぐキンちゃん「キン斗雲」が来るから」


そんなやりとりをしてたら俺たちの前に急ブレーキをかけてキン斗雲が

止まった。


「辰也君、乗るよ」


「え〜ふわふわじゃん・・・足がズボッて抜けるんじゃないか?」


「現実的・・・そんなこと考えてる間に乗って」


そう言われて俺は恐る恐るキン斗雲に乗った。


「なんだおまえら、そんなもので天界へ逃げようって魂胆か?」


「そうだよ、エロ親父・・じゃ〜ね、バーカ」


俺と明日香ちゃんを乗せたキン斗雲は一目散に花果山へ向けて飛んでいった。

ぶっちぎりで逃げ切れると思ったら、さすが天界で一・二を争う武将

きっちりキン斗雲についてきていた。


そこから何百キロ飛んだか・・・並みいる山脈が見えてきた。


「このまま乗ってたら悟空ちゃんのところにつれっってくれるから」


雲海に隠れた花果山めざしてキン斗雲は降りて行った。


振り向くと伯翔李天が、デカい青龍刀を抜いて血相を変えて俺たちを

追ってきていた。


「しつこい野郎だな・・・もう諦めたらいいのに」


「頭ん中、エロで渦巻いてんじゃないの?」


キン斗雲は雲を抜けて花果山の中腹の綺麗な草原・・・花畑に降りた。


「わ〜なんだここ・・・めちゃ綺麗じゃん」

「カメラへたくそでもベストショット撮れそう」


「懐かしい・・・何百年ぶりかな、ここに来たの?」

「悟空ちゃん元気してるかな」


「おまえら、天界に逃げるのかと思ったら、こんなところに来おって・・・

花果山とは考えおったのう」

「明日香、手荒な真似はしとうない・・・ワシと一緒に天界へ帰るぞ」


「帰らない・・・私のいい人は辰也君だけだからね」


「それではその人間を先に亡き者にすればよかろう」

「相手がいなくては天界へ帰るしかなかろう


「俺やっぱり切り刻まれて豚の餌にされるのか?」


伯翔李天の俺の首をハネるため容赦なく青龍刀をぶん回した。


もうだめだって思った時、ガイ〜〜〜〜ンって大きな音がした。


「待たせたな明日香ちゃん」


「あ、悟空ちゃん!!」


とぅ〜び〜こんて乳。

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