第125話 天下五剣の一振り
そういう点ではある意味今俺が持っている剣もいわくつきの魔剣と言っても良いだろう。
普通にこの剣を手に入れようとして破産している人も、知らないだけで複数人間違いなくいるだろうしな……。
クレジットカードは魔法のカードではないのだ。
そして、この剣なのだが天下五剣の一振り【童子切安綱】であり、当然レベルもマックスにしている。
まだ出て間もない武器であった為限定解除もできずストックも一つも無い状態であるのだが、それでも環境トップと言われるだけの性能はある、というかぶっ壊れていると言えよう。
「なんだ? そのすぐ折れそうな細い剣は? そんな剣で俺の斬撃を何度防ぎきれるか見ものだなっ!!」
そう言いながら切りかかるダニエルなのだが、その攻撃は見えない結界によって俺の身体に当たる前に弾かれる。
その結界は【童子切安綱】の能力の一つであり、敵の攻撃を三回防ぐ結界を抜刀時、武器に備わっている攻撃スキル使用時の度に張られ、その際まだ結界が残っている場合は結界が壊れるカウントがゼロへと戻るという能力持ちである。
ちなみに武器に備わっている武器スキル『鬼首切り』なのだが、青い炎を纏った三日月状の斬撃を六連で飛ばすというものである、高威力から放たれる六連の斬撃で複数の敵の殲滅能力も高ければ結界も張るので、対複数だろうとボス戦だろうと対人戦だろうと『まともに戦うと攻撃を喰らわす事ができない・喰らわない』というふざけた武器である。
それでも、そこはゲームとして作られた武器である以上対策が無いわけではなく、例えば空きスロットに付与する事ができる能力の一つ『攻撃多段+三』を付与している武器の攻撃であれば一撃で結界を破壊できるなど、やりようはあるものの、対策しなければ詰むという事には変わりない。
「では、次は俺が攻撃する番で良いか?」
そして俺はそう言うとダニエルの返事を待たずに【童子切安綱】の武器スキルである『鬼首切り』を行使する。
すると一秒にも満たない短い時間で六連の斬撃がダニエルへと放たれる。
「…………これは……ヤバいっ!!」
初めは俺の放った斬撃を、魔剣で受け止めようとしていたのだが、途中で受け止められるものではないと判断したダニエルはその斬撃を避けるものの、避けきれなかったのか片腕と片足が切り飛ばされているのが見える。
しかもそれだけではなく、切られた箇所が青い炎で燃えており、その炎をダニエルは必死になって消そうとするも消えず、最終的にはその燃えている切り口を切り落とすではないか。
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