第118話 気のせいだろうか?
ちなみにニーズヘッグなのだが、人が乗れるようにストレージから移動用の鞍を装着しているのだが、それは最早鞍ではなく馬車のキャリッジをそのまま背中に付けたようになっているので、そこへ乗り込む。
「では行こうか」
「任せてくれたまへ、主よっ!! 我が主とその番いたちへ快適な空の旅を届けようではないかっ!!」
そして俺が出発の合図を言うと、ニーズヘッグは事もあろうかマリアンヌとアイシャの事を番いだと言うではないか。
マリアンヌはそれを聞き、俺にバレない様にすました顔をしているのだが頬が仄かに染まっていり、口元がにやけそうになるのを我慢しているのかもにょもにょと動いているのが見て分かる。
それだけで後から訂正するのが面倒くさそうだなと思うのだが、それ以上に今すぐにでも人一人を殺さんばかりの表情と眼光をしているアイシャの表情を見て俺の胃がキリキリと痛み始める。
どうやらいくらステータスなどが上がろうともそれに伴って精神的にも胃が強くなるという事はないようである。
精神攻撃の恐ろしさを今まさに味わっているのか……。
そんな事を想いながら俺はバレない様にお腹に回復魔術をかける。
とりあえずアイシャに謝罪と訂正をしても良いのだが、それが地雷で爆発する可能性がゼロではない以上、俺は時間が解決してくれるだろうと放っておくことにする。
悪く言えば後回しにするというやつだ。
「アイシャさん……怒っているのかしら?」
「お、怒ってなどいないっ!!」
「あら、表情がまるで怒っているようでしたので……。このニーズヘッグというドラゴンさんからルーカス様の番と呼ばれた事が気に喰わないのかしら? ですが安心してくださいまし。番いと言われたところで
そして、そんなアイシャに向かってマリアンヌが声をかけるのだが、頼むから黙ってくれと叫びたくなる。
あと『アイシャは正式に婚姻を結ぶわけではない』と何故かアイシャの部分を強調して言っていたのだが、それは『私は婚姻を結ぶけど』と聞こえるのは気のせいだろうか?
「そ、そんな事などどうだって良いっ!! そんな事よりも今私に話しかけるなっ!!」
しかしながらマリアンヌのお陰? でアイシャが怒っているのが俺と番いである事を勘違いされた事ではないと知ってとりあえずは一安心ではあるのだが、逆に何で怒っているのか分からないのが逆に気になってくる。
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