第100話 こっちから聞き出せばいい
ダニエルの討伐が国やギルドからの依頼であれば、お前たちから依頼しておいてこの体たらく、しかも何も対策を講じていない時点でキレ散らかしていたのかもしれないのだが、今回のダニエルの討伐はあくまでも俺の自己判断であり、そのある意味俺の我が儘でギルドの情報を寄こせと言っているのだからここでキレるのは違うだろうと判断して、少しイラついた感情を深呼吸一つして抑える。
そもそも、恐らく本来であれば外に漏らす事の出来ない情報を俺に教えてくれた時点で感謝こそすれ怒るのはただのクレーマーだろう。
理不尽な内容でない限りギルドにはギルドのルールというものがあるだろうし。
しかしながら、だからと言ってここで引き下がるつもりは毛頭無いので、とりあえず質問を一つ投げかけてみる事にする。
「なぁ……」
「は、はい……っ」
「俺の冒険者ランクをSランクとやらに一気に引き上げる方法、またはSランクとやらと同等の権利を得る抜け道みたいな方法は無いか?」
とりあえず、向こうから提示しないのであればこっちから聞き出せばいい。
言わないからできないと判断するのは早計過ぎるし、俺にはこのギルドマスターが『また面倒臭い事になりそうだから敢えて言わなかった』という風にしか思えないのである。
そして、俺の予想は当たっていたみたいで、ギルドマスターは『コイツ、今一番聞いてほしくない事を聞いてきやがった』というような渋い顔を一瞬だけした事を俺は見逃さなかった。
「そ、それは……そのー……有るというか無いというか何と言いますか……」
「嘘ついたら……また俺暴れちゃうかもなぁ……?」
「あ、有るには有りますっ!! ただ、ルーカス様を面倒な事に巻き込んでしまう可能性があるのですが、それでも大丈夫でしょうか……っ?」
「あぁ、かまわない。言ってみろ。それに聞くだけならばタダだし、聞いてからダルイ内容ならば断われば良いだけの話だしな」
「わ、わかりました……」
それでも尚ギルドマスターは渋るので少しだけ殺意を込めて早く話すように促すと、やはり俺の見立て通りSランクになる方法、またはSランクと同等の権利を得る方法があるようだ。
「それは、既存のSランク、その中でもSSS級の者と同行した場合はその同行者は、同行している間のみS級として扱われます……」
「なんだそんな事か。一体どんな内容かと少しばかり身構えてしまったではないか。それで、今この帝都ギルドにはそのSSS級冒険者とやらはいるのか?」
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祝100話!!(*'▽')頑張った!!
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