第77話 責任は取ってもらわねぇとな
「おい、これぐらいしかないのかよ?」
「すみません、すみませんっ!」
「お前、才能ないな。も良いよ」
そう言うと俺は部下の首を切り落とす。
使えない者を生かしておく必要は無いだろう。
そもそも、ここ最近とある賊狩りが現れたせいで俺はただでさえ苛立っているというのに、一般人相手に舐められてシノギの足元見られていつもより回収率が悪かったなど、何でそれで許してもらえるのかとおもったのか。
馬鹿は死んでも治らないと言うのならば俺が殺してその死体を有効活用してった方がまだ有意義だろう。
人間の死体は人間の死体でまだ活用方法は色々とあるからな。
「良いかお前ら? 俺たちの仕事は舐められたら終わりなんだよ。 次は相手がシノギの値段を下げようと交渉してきた場合、相手が提示した金額を支払う前に俺に相談しにこい。 そしたらそいつに自分がやっている事がどういう事かその身に教えてやるよ」
そして俺は周囲で委縮している者達に視線を向けて話す。
そもそも俺を無視してシノギの値段を減らすとか横領されている可能性も考えられるため許すはずが無いだろうが。
「ったく、無駄な事をしやがって。今からこいつが回収し損ねた分のシノギを回収しに行くから、ここは誰も来ないように見張っておけよ」
しかしながら『今回上手く行ったから次からはもっと値段を下げてやるか』等と相手に思われてはこの商売では流石に稼げなくなってしまう可能性があるのでここは一つ相手に分からせる必要があるだろう。
そして俺は数人の部下を引き連れて、バカが取り損ねた差額分を回収しに、このバカがシノギを回収しに行った教会へと向かう。
この教会は金を持っている癖に賊を狩る者が現れてからは少しずつ態度が大きくなっていっていたのだが、流石にここまでコケにされて黙っていられるほど俺は優しくはない。
それにしても、そもそもこの糞みたいな状況を作った、タリム領の領主にはいつか仕返しをしなければと思っている。
そもそもタリム領の領主が、何故かここ最近帝国、特に帝都の治安維持に力を入れるのではないかという噂が出回っているのが全ての原因であるのだからそれが嘘かどうか関係なく、俺たちに不利益を被らせた責任は取ってもらわねぇとな。
噂ではS級の冒険者や学園長を倒したというのも耳に入ってくるのだが、S級のアイテムを複数所持している俺の敵ではないだろう。
そして俺はその決行日と作戦内容を頭で練り始めつつ教会のシスターであるババァを蹴り飛ばし、隠し持っていた金銭を回収するのであった。
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