第67話 金が集まりやすい構図
半ば強引ではあるもののギルドに対してこちらの要望を全て通した旨をドゥーナに伝えると、ドゥーナは興奮気味に称賛してくれるではないか。
確かに、あのギルドマスターの態度からしても冒険者が外の声を聴くとは考えにくいので、今現在帝国では冒険者の聖地と呼ばれている領地を持つ貴族ですら、問答無用で突っぱねていたであろう光景が目に浮かぶ。
「確かに、あれは酷すぎたな……。 だからちょっと一発ぶん殴って分からせてやったら話を聞いてくれたよ」
「凄いな……一発とはいえギルドマスター相手に物理的な強さで推し勝ったからこそこの結果だろう。私のお父様ですら当時のギルドマスターに勝つことは出来なかったからなぁ……。 引退しているとはいえ、当時最高峰のSランク冒険者がギルドマスターになれる資格がある事を考えれば仕方のない事ではあるし、それでも、経験の差で負けたとはいえそこそこ良い戦いをしていたお父様もバケモノではあるのだが……私の旦那様はそのギルドマスターに勝ってしまうとはな」
ドゥーナは凄い凄いと褒めちぎるので、ギルドマスターに勝つという事はそれほどまでに凄い事なのであろう。
「あぁ、ありがとう。 これで俺の領地ではS級冒険者を燻ぶらせる事は、今までよりかは無くなるだろう」
ちなみにここ帝都に来る前に一度タリム領に指導側として雇ってくれないかと来ていた元A級冒険者を交えてどのようにしていけば集めた冒険者を腐らせることなく有意義に使う事ができるのかと話しあった結果、闘技場を作り定期的にトーナメント方式で大会を開催するという事で決まった。
しかしながらただ大会を開いたところでファング家の二の舞になる事は目に見えているので、スポーツ化をする事にしたのである。
勿論死者が出ては元も子も無いので結界を予めかけ、致命傷を超えるダメージを受けると負けという方法を取る事は大前提として、個人枠チーム枠と分けた上で冒険者が戦う姿を、映像魔球を使い帝国内にて放送する事によってスポンサーを募り、グッズ展開も行う事により優秀な冒険者たちに金が集まりやすい構図を作るというものである。
更に賭博による売り上げも売り上げの数パーセントを冒険者へ還元させる事により、裏で依頼を受ける必要は無くなるくらいには稼げるようにする事を考えたのだが、その為には冒険者ギルドとの連携が必要不可欠である為多少強引ではあるものの押し通したという訳である。
ちなみにこの映像魔球による放送に関しては、ゲーム時代で一定額課金する事によって解放されるサービス機能にて利用できるアイテムを使って行う為タリム領以外では『今のところ』は同じように大会を開いたところで、ギルドで放送は出来ない。
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