第62話 ツケぐらい自分で払えや
「うぎゃぁぁぁああああっ!! 儂の手と腕がっ!? 儂の武器がっ!!」
一拍遅れて自分の右手と右腕、そして武器が粉々にされた事に気付いたのか、痛みと武器が壊れた事実に涙と鼻水に涎を垂れ流しながら叫ぶではないか。
「うわ、汚ねぇな……っ!」
「ぐえっ……………あぎゃっ!?」
そして俺は左手を腕に添えて、未だに痛みからか叫び続ける学園長を横薙ぎ様に蹴り飛ばすと、まったく防御態勢を取っていなかったのか、その勢いのまま吹き飛んでいき、ゴロゴロと転がった上で壁にぶつかって止まる。
「さて、学園長に問題を一つ出してやろうか」
「ぐ……ぜ、絶対に許さないぞ……そんな事をしておいて……っ!! あぎゃっ!!」
「良いから聞けよオッサンッ」
とりあえず、腕と武器を破壊されているにも関わらず、まだキャンキャンと吠える学園長をビンタ一発で黙らしてから俺は話を続ける。
「問題なんだが『人を呪わば穴二つ』って言葉がとある国にあるんだが、どういう意味か解るか?」
「そ、そんな他国の言葉の意味なんぞ解る訳がなかろうっ!!」
「あぁ、それは大丈夫だ。今から身を持て体験する事になるから。それで意味なんだが『人を呪って殺そうと墓穴を掘る者は、自分の墓穴を掘らなくてはならなくなり、結果墓穴を二つも掘らなければならない』って意味なんだ。どういう意味か分かるよな?」
「それはそいつがバカだっただけであろう……っ!!」
せっかくバカでも分かりやすいように教えてやったというのに、バカはバカでもプライドが高いバカは駄目だな。俺が言った言葉の意味をまったく理解できていないではないか。
なので俺は学園長の所まで近づくと、もう少し分かりやすく言ってやる事にする。
「まだ分からないのか? そのバカが俺の目の前にいるだろうが」
「…………なっ!? き、貴様っ!! そんな事が許さっるとでも思っているのかっ!? それに実際に貴様を殺そうとした奴は儂ではないっ!! 冒険者のバカではないかっ!!」
「あ? 許す許さないは俺が決めるんだよ。そもそも俺を殺す依頼した奴の息の根を止めなければ暗殺しにきた奴を殺したところでどうせまた新しい刺客を送ってくるんだから意味が無いだろう。だからもう刺客を送られないように諸悪の根源を潰しに来たんだよ。そもそも、報復された時にそうやってキャンキャンと吠えるのならば初めからしなければ良いだろうが。自分のしでかした行為のツケぐらい自分で払えや」
「うぐおげぇぇぇえええっ!!」
そして俺は言いたいことを言うと学園長の鳩尾を気絶しない程度に軽くなぐってやる。
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