第57話 時間の問題
「…………あっそ」
確かに俺は舐めすぎていたのは事実であるし、この一撃も避けることもできずにそれで終わりだと思っていた。
しかしながら蓋を開けてみればどうだ。
俺の拳はしっかりとこの青年、オリバーに見切られているではないか。
その事実を知って俺は思わずにやついてしまう。
「あ? 何が可笑しい?」
そんな俺を見たオリバーは、苛立ちを隠そうともせずに何で笑っているのか聞いてくる。
「あぁ、ごめんごめん。馬鹿にするつもりなど無かったんだが、そう受け取ってしまったのならば謝ろう。 そして俺が笑っている理由何だが、いや、やっとそこそこ強い者と戦う事ができると思ったら嬉しくてついにやけてしまったようだ、そもそもダニエルにしても学園の校長にしても、はっきり言って弱すぎて話にならない程に弱くてな、ここ最近は不完全燃焼だったところだたんだよ。良い戦いができるとは思わないのだが、良い運動は出来そうだな……」
そして俺は何故笑ってしまったのか素直にオリバーへと伝えると、再度スキル【縮地】を使い、今度はオリバーの後ろへ周り背後から攻撃をしようするも、それも防がれてしまったので、また【縮地】を使って移動し攻撃を繰り返していく。
「ぐ……っ!! な、何故これほどのスキルを高速で連続使用できる……っ!?」
「あ? 敵に教える訳がねぇだろ。バカだバカだとは思っていたんだが底抜けのバカだったのかよ」
そして、そんな俺に対してオリバーは『何故スキルをそんなに早く連続で使用できるのか?』と聞いてくるのだが、敵である相手にわざわざ教える訳がないし、教えたところで実践できるとも思わない。
そもそもこれはとある低ドロップアイテム【進化の種】というアイテムを使う事によってスキルを使った際に次のスキルを行使できるようになる時間を少しだけ短縮できるアイテムを、課金の力で大量購入して一気に縮めたからこそこんなに早くスキルを行使できるようになったのである。
そして、そのアイテム【進化の種】がドロップするダンジョンはまだギルドに登録されていない所をみると未発見であり、当然そのアイテムを使った事がある者どころかその存在すら知る者はこの世界には居ないだろう。
それでも何とか防げているのは、Sランク冒険者を自称するだけの実力は確かにあるという事なのだろう。
しかし、流石に【縮地】だけでいっぱいいっぱいになっている時点で弱すぎるな。
それに、反応がすこしずつ遅れて来ているので俺の攻撃が当たるのも時間の問題だろう。
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