第55話 コイツに慈悲はいらない ※後半は宣伝です


 そんな会話を馬車の中でドゥーナとしながら俺たちは領地のなかで一番発展している街へとむかう。


 ちなみにここタリム領には一つの街に四つの村があり、今のところなんの問題も報告されてないのでとりあえず水路と下水道を作った弊害、井戸水の変化や地滑り等は問題ないとみて良いだろう。


 しかしながらこの件に関しては今大丈夫だからと言って将来も大丈夫とは限らないので数年単位で調査をしていく予定である。


 とりあえず今のところ農業用の水の確保が容易になった事は勿論、水路のお陰で移動手段が馬車と徒歩の他に船という手段ができたと喜んでいるみたいなので一安心といったところであろう。


「ドゥーナっ!!」

「きゃぁっ!?」


 しかしながら馬車は街へと着く前に何者かによって襲撃され、破壊されてしまう。


 なんとか相手の攻撃が当たる前に気付けたお陰で御者含めて誰一人として死者は出ていなかったものの馬車が大破するほどの威力である。


 俺が気付くのが少しでも遅れれば誰かが死んでいたかもしれない。


 そう思うと怒りの感情に支配されそうになるのだが、こういう時に感情に流されてしまうのはあまり良くない事くらいは前世も含めて安全な場所で暮らして来た俺でも理解できる為、深呼吸を一つして精神を安定させる。


「ほう、あれを防ぐとは……調べた君の実力よりもかなりの実力者だと判断するべきだな。しかしながら調べた君の情報では、権力を初め自身の魔術などといった力は他人へ見せつけて弱い者をイジメていたとの事なのだが、そんな君が実力を隠していたとは考えにくいんだがな……何か実力を隠さなければならない理由でもあったのか……もしくはたまたま俺の攻撃を防ぐ事ができたのか……。まぁ、どうせこれから殺す相手だ。そんな奴で悩んでいても時間の無駄だからここはさっさと殺してこの依頼を終わらすとするか」

「……誰だお前?」


 そして、俺に攻撃した奴は逃げたり隠れたりする事も無く、むしろ堂々と俺の前に現れると、ぶつくさと独り言を言い始める。


 流石に攻撃した相手の前で挨拶も無く独り言とは、失礼過ぎて思わず怒りを隠そうともせず誰か質問をする。


「あぁ、ごめんごめん。本当はさっきの一撃でここにいる全員殺して目撃者一人も残さずに帰る予定だったんだが……まさか防がれてしまうとは思わなくて驚いてしまったよ」


 そう良いながら頭をかく青年なのだが、だから誰なんだよと殴りたくなる。


 なので実際に殴る事にする。


 そもそも人の命、それも俺の妻や使用人たちまでも巻き込んで殺そうとしている時点でコイツに慈悲はいらないだろう。


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一年もあっという間でしたね(*‘ω‘ *)ノ

年末年始に下記二作品でもどぞ。


悪役令嬢者に関しては男性でも楽しめるように恋愛メインではなく異世界ファンタジー物にしております('ω')ノなんと一日約四話以上更新してますっ!!


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タイトル

●前世では魔王と恐れられていた俺は、転生した今世では真人間の仮面を被って好きなように生きます。


あらすじ

人殺し、窃盗、暴力等私欲の限り行っていた結果、殺されそうになってしまった主人公は禁忌魔術を使い異世界転生を行う。


その時正義側であると思っていた主人公を殺した者も自分と同じ人種と知り、衝撃を受けた主人公は前世で磨いた魔術の知識と技術で今度こそは好きなように生きてやると強く願うのであった。



タイトル

●転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作り、圧倒的武力で死亡フラグをブチ折って行く


あらすじ

 ある事がきっかけで前世の記憶を取り戻したわたくしは、どう考えてもこの世界が前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢である事を思い出す。


 しかし同時にその悪役令嬢はどのルートでエンディングを迎えても全て死亡エンドを迎えている事を思い出し、そんな現状にふざけるなと死亡フラグをぶち壊す為の秘密結社ブラックローズを設立して運命に立ち向かうのだが、同時に主人公はメインキャラクターやイケメン達に好意を寄せられている事に気付かず、余りにも鈍感過ぎて恋愛のフラグも日々ぶち壊している事に気づけないのであった。

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