第49話 もう終わり
しかしこれであの馬鹿はもう終わりであろう。
いくらドゥーナが強いからと言っても流石にS級冒険者であるオリバーには勝てまい。
それに、ランゲージ家を潰す事によって他の貴族たちに融資を回収しようとすればどうなるのかを見せつける事もできるし、ランゲージ家にある巨万の富を奪いつくす事もできメリットしかない。
公爵家ともなるとかなりの貯えがあるだろう。想像しただけで口元がにやけてしまう事がやめられない。
しかしながら、と儂は思う。
S級冒険者とはいえ所詮は平民上がりの荒くれ者。側だけは取り繕ってはいたのだが、そもそも平民ごときが伯爵でもありこの学園の長でもある儂がこうして会ってやり、ギルドを通さずに依頼をしてやるというのにも関わらず手土産の一つも無いとは……所詮は平民、育ちが知れるというものじゃな……。
アイツへの報酬は人生の勉強代として無しで良いだろう。
それ冒険者ギルドに所属しているにも関わらず、ギルドを通さない依頼を受けている時点で喰う側の者ではなく喰われる側の者でしかない。
なんと愚かな……。
しかしながらだからこそ儂が潤うのだから良しとしよう。
なんだかんだで神はまだこの儂を見放してはいなかったという事じゃな。
◆
なんだかんだで無駄な時間を過ごしたのでタリム領に戻って来た俺は早速領地経営を進めるべく動き出す。
とりあえず、今のところ考えているのは道路の整備が終わればその中から優秀な者を募って道路の様々な問題を解決する会社を作る予定である。
ちなみにその給金はタリム領から集めた税金をランゲージ家を通して支払う形にする予定だ。
ちなみに主な仕事内容は今回培った技術を使い道路の修繕がメインとなるのだが、倒木など道路をふさぐ物の撤去に、定期的に道路周辺の魔獣や獣の討伐、後は商人などの護衛等を生業としてもらう予定である。
その為多少は強くなってもらう予定があるので、引退間近の冒険者からも数人教育係として引き抜いてくる予定である。
給料は恐らく冒険者時代よりかは少し下がってしまうとは思うのだが冒険者稼業よりかは安全かつ安定した収入が得れるのはかなり美味しい話だとは思っているし、実際にそう考えているものは多かったらしく引退間近だけではなく既に引退している者からの応募が殺到しているようで嬉しいかぎりだ。
しかも今回俺の予想と反して、この話を聞いた引退している元冒険者たちが他の領地に移り住んでいる元冒険者仲間たちを呼び集めてくれている事である。
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