第47話 一緒に消えて無くなれば良いのに


 そもそも俺が取り立てたところであの学園長は首を縦に振らないどころか噛みついてくるだろう事が容易に想像できる。


 ギルドに依頼した場合は、回収した金額から成功報酬として一割ほどを支払わなければならないのだが、そんな面倒くさい事をする必要がなくなるのならば俺は喜んでそのくらいの金額は支払う事を選ぶ。


 ちなみに、回収する役員たちの報酬など考えればギルド側は赤字(今回の件では黒字だが低い金額までと考えると赤字)なのだが、支払いができない者へ前世から見たら闇金レベルの利子を付けて貸し出す為むしろこっちの方がメインの収入となり、結果黒字となるえぐいからくりがある。


 利子で借金が膨れ上がる状態であれば、まだ月々の支払額が増えず一定額払えば何も文句を言われないリボ払いの方がマシだと思えるくらいの利子なので、間違いなく借金をするであろう学園がどうやってこれから返して行くのか少しだけ楽しみである。


 まぁどうせ他の貴族から融資とか言って回収しようとするのだろうが、ランゲージ家が今まで融資していた金額プラス利子分と、更にギルドから借りた事によってできた利子分を支払える貴族はまずいないだろう。


 それこそ帝国に泣きつくくらいしか無いとは思うのだが、帝国がそれを許すとは思わないので近い将来学園が経営難で最悪閉校してしまう未来が見える。


 それこそ今回俺は自分の感情を抑える事ができずにダニエルへ攻撃してしまった為、それが死亡フラグになりかねないので、どうせならばいっそのこと本当に潰れてしまえば俺の死亡フラグも一緒に消えて無くなれば良いのに……。


 なんて事を思ってしまうのであった。





 よくもこの儂をコケにしおってからに……。


許せる訳がない。


 儂の半分も生きていない若造にバカにされて引き下がる等ありえない。


「どうしてくれようか……。若造が調子にのりやがって……っ」

 

 学園長である儂に喧嘩を売ると言う事がどういう事か思い知らせてやろう。


 そして儂はとある冒険者を学園まで呼び付ける。


「お久しぶりです、学園長」


 その冒険者はオリバー・レイ・アニストンであり、冒険者のランクはS級である。


 オリバーなのだが、丁度帝都にいたらしく数時間で儂の元へと来てくれる。


「おぉ、久しぶりじゃのオリバー。 お主を呼んだのは他でもない、お主に頼みたい事が一つあっての?」

「別に良いですけど、理由を聞いても良いですかね? 学園長の頼みならばできるだけ断りたくはないんですけど、これでも冒険者を生業としておりますので、ギルドの禁止事項などで難しいのかな? と」


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