第26話 つい嬉しくて我を忘れてしまった
「……いや、俺もドゥーナに酷い事をしてきたから、今まで俺がドゥーナにされたことは自業自得だと思っているからドゥーナの事は嫌ってはいないし、むしろ俺の方がまず先にドゥーナに謝らなければならないと思っている。その、申し訳なかった。そして、ドゥーナがここにいたいと言うのであれば好きなだけ居てくれて良い」
むしろケモナーの気がある俺からすれば、人狼であるドゥーナは是非とも俺の元にいて欲しいと思っていたので、俺の事を嫌っている訳ではない、むしろ俺の側に居たいというのであればそれを断る理由は無い。
「ほ、ほんとうか……っ!? 私は足が治ってもここにいても良いのかっ!?」
「あぁ、二言は無い。それにお互いがお互いを嫌っていると勘違いしていただけなのならば、それが分かった今出て行く必要はないだろう。それに俺はドゥーナの意見を尊重するつもりだったからな。勘違いではなく本当に俺の事を嫌っていたとしても、俺の邪魔だけはしないと約束してくれるのであればこのままここで暮らしても良いと思っていたしな」
俺が、ドゥーナがここにいる事を了承したのを信じられないのか確認してくるので、例え俺の事を嫌っていたというのが勘違いでなかったとしてもここに居たいというのであれば了承するつもりだったと話す。
「……旦那様という奴は…………使用人に好かれている理由が分かるな。勿論、出ていけと言われたとしてもこの恩は一生返してくつもりではあったのだが、これでは私はどれほどの恩を旦那様に返して行けば良いのだ……っ!!」
「そ、それは嬉しいのだが……まだ成功するかどうかも分からないからまずはその失った足をフェニックスの尾で治そうか。喜ぶのはそれからでも遅くはないだろうし、万が一フェニックスの尾で治るという話が迷信である可能性もあるしな。
そう言うとドゥーナは感極まったのか、俺に抱き着いてくるではないか。
ドゥーナの身体は日々の鍛錬により鍛えているにも関わらず、それでも女性なのだと分かる位に柔らかく、それでいていい匂いがするではないか。
しかも、柔らかい二つの大きなメロンが俺とドゥーナの胸に挟まれて形を変えている訳で……。
風呂場でなんとか抑える事ができた俺の理性がどうにかなってしまいそうなので俺はドゥーナの両肩に手を置き、まずは足を治そうと話題を逸らしながら引き離す。
「す、すまん。つい嬉しくて我を忘れてしまったようだ……」
そしてドゥーナは顔を真っ赤にしながら俺から離れてくれる。
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