アホとバカとカタツムリ
アホとバカ、類語であるが地域によってニュアンスが違うというのは、よく聞く話であろう。
私は関東出身の人間なので、バカと言われても気にならないが、アホと言われると、少し嫌な気分になる。
関西の人は逆らしいというのは、関西出身の知り合いに聞いたおぼえがある。
というわけで、発話者あるいは執筆者の出身地、長く過ごした地などを加味して耳と認識機能をチューニングしている。
それはさておき、アホとバカの話は大学ではじめて習った。
そのとき、参考文献としてあげられていたのが、柳田の「蝸牛考」と松本修の『全国アホバカ分布考』であった。
方言周圏論という古典的な学説についてのお話で出てきたのだ。
言葉というものは文化的に進んでいるところから周辺地域に伝わっていく。その分布図は、年輪のようになるというものだ。
柳田は自身の民俗学の根幹に置きたかったらしいが、伝播論というのは、なかなか難しく結局残っているのは方言学の分野でのみである。
柳田はカタツムリ、マイマイ、デンデンムシの名称の分布を調べ、『全国アホバカ分布考』はこの蝸牛考をもとにテレビ番組の企画として、アホバカの分布図を作ろうとしたというものだ。
アホバカのほうもものすごく力作で、学問というのは自由でいいものだと感動したことをおぼえている。
そういえば、カタツムリというのは、色々な人の心をひきつけて離さないらしい。
左巻きと右巻きがダーウィンの適者生存の話におおきく関わってくるらしい。
昔、酒を飲んだときに、そういう研究があってね、と教えてもらっただけでまったく詳しくない。
ウェブで検索しただけの話をちょこちょこと載せるのも気恥ずかしいので、興味のある方は各自で検索していただきたい。
私もカタツムリは好きだ。
というかエスカルゴが好きである。
とはいっても、私が食べるのはアフリカマイマイの缶詰でリンゴマイマイはおそらくほとんど食べたことがない。
ガーリックバターの効いたエスカルゴは美味しいが、これが危ない寄生虫を持っていたりするらしい。
食べるだけでなく触るだけでも危ないというこの寄生虫、どうやら、日本のカタツムリにもいるらしい。
昔、よく捕まえていた気がするが、思えば恐ろしいことをしていたものだ。
これはアホと言われても仕方があるまい(でも、言わないでね)。
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