第14話「ハープを」

「ここは?」

あんた等々、死んだのね

>お前は、リンゴ女神

何よそのあだ名、そこまで親しんだんだっけ

>俺は、どうなった

言ったでしょ、死んだのよ

>そうか

何よ、悔しくないの

>俺は、妹が生きてるならそれでいい

無責任ね

>戻してくれるのか?

それはできないわ

>なぜだ


ちょっと長い話になるけどいい?

 >ああ頼む

あんたが滅ぼした世界は異世界に引き込んだ再現世界だったの

だから元世界の人は死ななかった

その代わり異世界に開いた再現世界が滅んだ

それは魔力によって滅ぼされたから

世界に魔力が残った

だがその魔力は術師、つまりあなたを源に沸いていた

だがその本人が死んだ

よって世界の魔力バランスが崩れ

石器世界は、崩壊した

それが今のあなたの妹がいる世界なの


>じゃ妹はどうなってるんだ

そうね、永遠の空間に囚われているは

>どう言うことだ?

魔力によって再現された世界が魔力を失ったの、言わなくても分かるでしょ

>つまり次元が狂って、全ての概念が消えて、白紙になったのか

そんなところね


>俺を今すぐ、その世界に送ってくれ

無理よ、あの世界は完全にブラックホールと同じ

修復できないバグが起こってるの

>じゃあどうすれば

そうね、天国で考えてきなさい

>天国はないって言ってたろ

あるのよ


「あ、ここは」

「主よ!」

「え?黒姫か?」

「そうじゃ、だがなんだその姿」

「主も同じじゃぞ」

「この青い球、魂の姿なのか?」

「そうみたいじゃの」

「妹もいるのか?」

「いないぞ」


「じゃあなんで、お前はいるんだ」

「主は忘れてるの、主が再現世界を滅ぼしたろ、そこに妾は居たじゃろ」

「そうだった、考えなしに滅ぼしたがあの時、お前は死んだんだな」

「そうじゃ」


ごめん


「で、どうすれば妹を救えるんだ?」

「そうじゃの、再現世界は完全に干渉できない」

「そうなのか・・・」

「じゃがまだ、諦めるのは、早いぞ」

「なんだ得策があるのか?」

「その通りじゃ」

「それは?」


「主にまた再現世界を開くほどの魔力があればいいんじゃ」

「だけどもう魔力はない」

「そこでな、神のハープを知っとるか」

「確か、ジャックと空の木って童話の、ものだろ」

「その通り、そのハープは、死者の魂を救済するという、のも知っておろう?」

「ああ、だがそんなものがほのとにあるのか」

「あるのじゃよ」


「でもどこに」

「リンゴ女神は知ってるじゃろ」

「ああ、」

「あの女神は、死者と対話するために、いつもハープを使っているじゃ」

「じゃあ頼めばいけるのか」

「いいや、無理じゃ」

「なんでだ、」

「ハープは魂と魂を共鳴させるものなのじゃ、じゃから再現世界がバグってるから、最悪引きずり込まれ、永遠の虚無に囚われるのじゃ」

「だからあの女神は、その事を言わなかったのか」


「そりゃ主は全てを犠牲にしてでも、救いに行くからの」

「俺がハープを奏でればいいだけじゃないか」

「それは分かる、女神だって、主は必ずそう転ぶと踏んで、言わなかったのじゃよ」

「でも黒姫、お前は、それを俺に言った、つまりは」

「そうじゃ、行こう」

「お前は俺と行くのか」

「ああ、二人で救いたいんじゃ」


「分かった」

「いくか主よ」

「ああ勿論だ」

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