過去の暗がり

待ち合わせ場所はいつも通りモダンなガス灯をイメージしたこの町では有名な街灯の下だ。だがいつもと違うところがあった。手を振りながら近づいてくる彼女だ。


僕は悴んでいる手を振り返した。


「ごめん待った?」謝る天使に戸惑っていると手を握ってくれた。「今日寒くて」心まで温まった僕は今日という日を楽しんだ。


「映画楽しかったね~」笑う彼女に僕はプロポーズした。「はい」と可愛らしく照れ臭そうに言った。


「今日は雨が降るらしいよ」と話し声が聞こえる中、ルイはカレーライスを食べていた。「彼女出来たわ」というとカレーを吹きこぼしていたがすぐにおめでとうと奢ってくれた。


僕はなんて世界で生きているんだと実感した。


サンタクロースが仕事をしている中、僕たちはデートをしていた。「もし、私が結婚詐欺師だったらどうする?」ふと問う。


面白いことを言うなと「えーそしたらやだなー」なんて口から洩れた。


なんだそれと笑う彼女を見てぎゅっと手を握った。


食堂で「お前ニヤニヤきしょいぞ」と声をかけられた。「なんだルイか」ビックリしたがカレーパンを持ってる彼を見て安心した。


見てくれよ可愛いだろと一枚の写真を見せる。もちろん昨日のデートの写真だ。


「ちょおま」と指をさした。こいつ知っているぞ俺と声を荒げるルイを宥めた。


「こいつ俺の元カノっていうか昔結婚詐欺にあったって言ったろ」確かにルイは2年前結婚詐欺に会ったらしく15万円を取られたらしい。お前なのにと励ましていた。


「まじかでも僕さ大丈夫だよ」彼女は結婚詐欺の話題を昨日出していたし、彼女はもしかしたら昔の過ちと葛藤してるんじゃないかと思っていた。


どうにかなるよと言う僕に「いい作戦思いついた」と笑った。

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