第5話 いや、君の事しらんけど?

部屋を出た俺は....。


「参った...迷っちまったな。」


迷っていた。

さてどうしたものか....。


「あなた、まさか輝汐?」


んー、来た道戻るか?


「ちょっと!」


おい誰か呼ばれいるぞ。


「もう、無視しないでよ!」


「え?俺?」


「そうよ、あなたよ!」


「俺に何か用か?」


「俺って....。あなたいつから一人称が【俺】になったのよ。」


「最初からだが?」


「はぁ、つまらない冗談はやめてよね。ところでなんであなたがここにいるの?」


「なんか異常があるらしくて来たんだが、ぶっちゃけ大丈夫だったんだ。」


「異常って、本当に大丈夫なの?」


「ああ、問題ない。ところでなんで俺のことを知っているんだ?前にどこかで会ったか?」


「何言ってるの、あなたと私は幼馴染じゃない。」


「え?」


「え?」


んん?幼馴染?この人が?いや君の事知らんけど?


「すまない、俺は急いでいるんだ。ナンパなら別でやってくれ。」


「ちょっ!」



女の子と別れて、しばらくさまよっていると、見知った顔の人たちに会った。


「きーくん、探したのよ!」


「あんたって本当にもう。」


「お兄ちゃんが見つかってよかったね。」


うん、探してくれてたのね、なんかすまん。

しかしなんかこの街、知り合い詐欺してくるやつ多いな。


「あー、えーっと、とりまごめん。とりあえず出口まで案内してくれるか?そこからは自分の足で....。」


「何言ってるの、あんたは家に帰るの。」


面白い冗談だ。俺に家はないぞ。


「いや、宿なら自分で探すし...。」


「いいから来なさい!」


あ~あ~、ちょっ、え~。

やっぱこの女気が強いな。



こうして俺は家?へと連れていかれるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る