第2話 え?俺何かした?
「ここは....、見たことのない場所だ。部屋?しかしこの造りは....。ん?」
ふと誰かの気配を感じる。
コンコン
「誰だ?」
ガチャッ
「ひどいわ、きーくん、実の母に向かって『誰だ?』なんて....。朝ごはんができたから起こしに来たのよ。」
んん?今この人実の母って....。
しかし俺の母さんは俺が5歳の時に亡くなっているはずだ。
それに俺のことを『きーくん』て呼んだが、俺はアレス=エングラム。
一文字もかすっていないぞ?
こういう時は情報収集だ。
「あー、俺あんたとどこかで会ったことあったか?」
まずは面識のある人物か確認だ。
裏稼業をしていた時も情報収集は大事だったしな。
「えっ?」
「えっ?」
突然の『えっ?』に対し、思わず同じ言葉を返す。
なんかまずい事言ったか?
「嘘でしょ...。」
バタン!ドタドタドタ!
なんかものすごい勢いで扉開けて階段駆けて行ったけど、急にどうした?
ただ知り合いか聞いただけなんだが...。
とにかくこれはチャンスだ。
今のうちにこの部屋を調べて、何か情報を得よう。
俺はベッドから抜け出し、机のようなものを漁る。
中には色々なものが入っていた。
その中で気になったものが一つ。
「これは...。」
本、いや、日記か?
『阿多梨 輝汐』と記されているが....。
どれどれ、読んでみよう。
俺は黙って黙読する。
.........。
なるほど、さっぱりわからん。
綺麗に書かれているため、字は読めるが、書いてある内容がマジでわからん。
どうしたものか....。
この日記も気になるが、ここがどこか、とりあえずさっきの人に尋ねるのが早いだろう。
俺は部屋を出て、階段を下りる。
見る感じ、どうやら宿ではなさそうだ。
『ううっ。』
ん?なんか女性が泣く声がするが、どうしたのだろうか?
俺はその音のする部屋に入る。
「あの~、ちょっと聞きたいことが...。」
部屋には3人居た。
バッと全員の視線が俺に向く。
え?俺何かした?
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