裏社会最強の俺、知らない世界に飛ばされて困惑中。え?日本?どこだよ...

@poyupin

第1話 光と共に消える男

星令歴1353年。


「まさか魔族と人間が和解できる日が来るなんてな...いまだに信じられん。」


「全くだ。まさかこんな日が来るとはな。」


魔王と勇者が互いの手を取り合い、握手している。


俺はアレス=エングラム。

元は裏社会で働いていたが、色々あって勇者パーティーの仲間になり、こうして今ここにいる。


「魔族との和解...アレス君、君が居なければ不可能だっただろう。」


「我からも感謝する。魔族の民の血を無駄に流さずに済んだ。」


「勘違いするな。俺は何もしていない。人間と魔族の代表であるお前たちが手を取り合っていることに意味がある。」


いやー、しかしこれでようやくゆっくりできるってもんだ。

資金もだいぶたまったことだし、無難に田舎で隠居暮らしでもするか。


そんなことを考えていると


ファァァァン


ん?なんか俺の身体光ってね?


「アレス、あんた何してるの?どこかに転移でもするつもり?」


「いや、これは俺の魔法じゃない。俺じゃない全く別の誰かのものだ。とりあえず無効化して...。」


「我に任せよ。『魔法無効化』」


魔王が魔法無効化のスキルを使うが、光は消えない。

嫌な予感がする。


「まさか...我の魔法無効化が効かないとは...。」


光は強くなり、やがて俺を呑み込む。


「アレス君!」


「アレス!」


「アレスさん!」


ヒュウウウウン


「クッ!」


..........。


「アレス君?消えた....のか?」


「そんな....アレス...。」


「アレスさん...。」


「我が無力であるばかりに....。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



こうして俺、アレス=エングラムは突然世界から消えた。


はずだった....。

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