6 スターダスト・ラプソディ

「つぎは二ノ宮さんの番よ」まだ歌っていないれんちゃんに視線が集まる。


「ボクはプロだぞ。他人の唄なんか歌わないやい! オリジナルソングを歌う。タイトルはスターダスト・ラプソディ」


 歓声があがる。音源は持ち歩いているらしい。さすが。



 ボクの運命の人ソウルメイトはどこにいるの?

 神社で必死にお祈りした日々 ばいばい

 願いをかけるためお星さまを探して深夜の街を駆け回った

 ボクはピエロですか?


 必死に探しても見つからないし苦しいだけ

 そんなことより瞬間(いま)を感じたい

 風のオトがささやいている

 今日は良い日だって


 水のオトが見守っている

 大丈夫だって


 子どものころはいつも聴いていた

 いつの間にか聞こえなくなっていたオト


 自分を好きになりたいから

 もう探さない

 そう思ったらきみに出会えた

 オトがささやいた

 答えはいつだってシンプルだって

 オトがささやいた

 答えはいつだってシンプルだって



『スターダスト・ラプソディ』作詞・作曲 二ノ宮 恋

 歌い終わった恋ちゃんを拍手する。


「この曲は未発表なんだ」

 歌い終えた恋ちゃんは誇らしげな顔。


「作曲はどうやっているの」


「パパがエンジニアでオーディオルームに必要な機材が揃ってるの」

 わたしの質問に恋ちゃんは嬉しそうに答えた。パパのことが大好きなのだ。


「恋ちゃんはサラブレッドだね」


「恋ちゃん、韻を踏むことを覚えたのね。えらい!」

 姫川さんが恋ちゃんのご機嫌をとる。


「えへへ。パパと仲良いんだ」


「姫川さん。そろそろ本題に入っていいですか。折り入ってご相談がございます」


 九条さんが声色を変えて『本題』を切りだした。その内容はわたしたちに新展開をもたらすのだ。 

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