5 女子高生がロボットアニメの主題歌を歌ってみた
「じゃあ歌いますか」
カラオケボックスで
一番手の姫川さんは『炎のさだめ』を熱唱した。
歌い終わった姫川さんを拍手する。
「すごい歌詞ですね」わたしこと鳴海千尋はつぶやいた。
「この唄の歌詞があたしの人生にかぶるのよ」
「どんな人生だ。女子高生の人生にかぶっちゃだめでしょう」
折笠さんが指摘する。
「なんの唄だったんですか?」
「ロボットアニメのオープニングだよ」
二番手の九条さんは『いつもあなたが』を選択。
歌い終わった九条さんを拍手する。
「すごい歌詞ですね」わたしこと鳴海千尋はつぶやいた。
「この唄の歌詞があたくしの人生にかぶるのです」
「どんな人生だ。女子高生の人生にかぶっちゃだめでしょう」
折笠さんが指摘する。
「なんの唄だったんですか?」
「同じロボットアニメのエンディングです」
「姫川さんと打ち合わせしたんですか」わたしが質問した。
『いや、全然』ふたりは異口同音。
「ナチュラルにやばい!」
さすが姫川さんのライバル。
黒咲ノアちゃんは『JUST COMMUNICATION』を歌った。
「この唄の歌詞がボクの人生にかぶるんです」
「女子高生の人生にかぶっちゃだめでしょう」
「なんの唄だったんですか?」
「ロボットアニメのオープニングです」
村雨さんは『It's Just Love』を歌った。
歌い終わった村雨さんを拍手する。
「この唄の歌詞がわたくしの人生にかぶるのです」
「なんの唄だったんですか?」
「同じロボットアニメのエンディングです」
「ノアちゃんと村雨さんは打ち合わせしたの?」わたしが質問した。
『いえ、全然』ふたりが異口同音した。
「ナチュラルにやばい!」
七瀬さんは『ドリーム・シフト』を選択。
歌い終わった七瀬さんを拍手する。彼女は泣きながら歌っていた。
「この唄を歌うと泣いちゃうんですよ。歌詞がわたしの人生にかぶって」
「女子高生の人生にかぶっちゃだめでしょう」
折笠さんが指摘する。
「なんの唄だったんですか?」
「ロボットアニメの主題歌です」
「今日はデジャヴすごいですね!」
わたしが感想を言う。
つぎはわたしの番。わたしは『それが、愛でしょう』を歌った。すごく気持ちの良い唄だ。
歌い終わったわたしをみんなが拍手してくれた。
「素敵な歌詞ね。なんの唄だったの」
「ロボットアニメの主題歌です」
「おまえもか。なんでみんなロボットアニメの主題歌なの⁉ 女子高生らしい曲を歌いなさいよ」折笠さんはご立腹のようだ。
「じゃあわたしは『残酷な天使のテーゼ』を歌うわ。この唄の歌詞がわたしの人生にかぶるのよ」
折笠さんはマイクを持って立ち上がった。
『おまえが言うなよ⁉』全員が異口同音。
「その曲、ロボットアニメ主題歌で大ヒットした曲です!」
透き通るような美声だった。歌い終わった折笠さんを拍手する。
※書籍化、アニメ化を目指しているのに映像化困難なエピソードを織り込みました。創作者とてアグレッシブな表現を目指しているからです。誰か褒めてください! みんな作者であるうお座の運命に忠実な男が大好きな曲です。曲名で検索してみてください!
(なお、歌詞はいっさい表示しておりません)
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