第一幕ー5『反省文1』

 あの頃の私は、精神的にも肉体的にも、とうに限界を超えていた。生き地獄から逃れるために、死ぬことばかり考えていた。

 私の躰には、赤、青、紫、黄色や橙色の痣が顔以外のほぼ至るところにできていて、それらを隠すため、私は、猛暑日であるにもかかわらず、長袖の薄汚れたシャツを身に纏っていた。そんな哀れな私に対しても容赦なく照りつける太陽。躰中の毛穴から粘着性の強い汗がじわっと滲み出た。あまりの不快感に耐え兼ねた私は、無意識にシャツの袖を捲り上げていた。私とすれ違う人々は、私の方を見て、眉間に皺を寄せたり、ひそひそ話をしたりしていた。まるで、汚物でも見るような視線に刺され、私は、ハッとして、捲った袖を元に戻した。惨めだった。死にたいと思った。

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