第3章

第29話

「ったくよぉ

作戦通りに やってくれよー」


 あきらかに、不機嫌そうなアーバイン。


「そうそう

こっちに 敵が来ちゃって ビックリだよ」


 金塊を、乗せた船がビーチに接岸した時に一斉にアタックする手筈だったがアーバイン達の攻撃が先になってしまい手順が逆になってしまった。

 想定外の、魔弾石戦を強いられるナージャ彡。


「もー

こっち来るなよ」


 アタッシュケースを、持った敵の一行がアーバインの方へと動く。


「ちょっと

ワーカスト早くアタックしてよ」


 崖の、上に声をかけるあたし。


「あっはい わかってます

サラ行くぞ」


 サラの、肩を軽く叩くワーカスト。


「はい」


 細い道を、駆け降りる3人。


「やっぱり こっちにもいたぞ」


 岩場に、隠れていたあたしだけど声を出す時に頭が出ちゃったみたいで見つかってしまった。


「うわ

あたしにも撃って来てるっ」


 魔弾石が、岩場に当たって砕け散る。


「おい キョウカ

お前は 出過ぎだ引っ込め!」


 アーバインが、注意するんだけど、


「だって あたし落下ダメージでこれ以上攻撃を受けたら 戦闘不能だよー」


 動きたくても、移動出来ないんだよなぁ。


「おい 新入りはまだか ??」


ズバッ


 崖の獣道を、一目散に降りたサラが飛び付きざまに脳天から袈裟懸けに一刀両断すると、


「ぎゃあーッ」


 男が、血飛沫をあげて倒れる。


「おー

サラさん やるねぇ」


 絶命して、ピクりとも動かない。


「よし 一気にたたみかけるぞ」


 アーバインが、次々と魔弾石を放つ。


ドガーン


 ワーカストの、放ったファイヤーボールが船に直撃して大爆発すると乗って来た2人が爆風で吹き飛ばされる。


「よし あとは金塊入りのアタッシュケースを持ったヤツと現金を持ったヤツ2人だけだ」


 防御魔法で、ガードしつつ魔弾石を撃って来る敵。


「わたしが斬る」


 サラが、魔弾石を避けながら間合いを詰める。


「サラさん

そいつら 体力オバケだから気をつけて !!」


 前に、力業で押そうとしたら上手くあしらわれて負けた。


「それなら オレが」


 ワーカストも、サラに付いて行こうとするが、


「ワーカストは来ないで」


 サラが、制する。


「でも」


 良いところを見せて、アピールしたいワーカスト。


「わたしだけで十分だよ

こんなザコは」


 魔法のバリアを、刀で粉砕するサラ。


「わお

カッケー」


 惚れぼれしちゃうなぁ。

 あたしと、同じチームになったんだと実感するね。


「ハーッ

でゃーぁあッ」


ズッバーン


 金塊入りアタッシュケースを、持った男が真っ二つにされて落下したケースの中身のインゴットが外に出る。


「この野郎 !!」


 もう1人の男が、インゴットを空中に浮かせて猛スピードでサラにめがけ飛ばす。


「サラさん !!」

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