第27話
「まだ 船は接岸してないな」
崖っぷちに立ち、海を眺めるアーバイン。
「ちょっと そっちはコワいかも」
そこまで、高所恐怖症じゃあないけどかなり高い断崖絶壁で東尋坊みたい。
「平気だって
ゲームなんだからさ」
片足立ちするアーバイン。
「そうは言っても コワいよ」
恐る恐る、アーバインの横へ立つあたし。
「ホラ 100メートル先に ランデブーポイントがあって まだ船は沖にいるだろ」
崖の真下ではなく、そこから100メートル
ほど向こうに2人の男が波打ち際に立っている。
「そうね」
あー、目が回る。
「よし ここで2班に別れる
おれと ナージャ彡は 一番向こうのルートを押さえてヤツらが逃げないようにするからキョウカとサラは最短ルートで崖を下ってくれ」
崖上から、海岸に降りる道というか獣道みたいなのだけど2つルートがある。
取引が、終わると一目散に逃げて行くから挟み撃ちにしないといけないのよ。
「はい」
「ラジャ」
「コピー」
パーティーメンバーが、うなずくとアーバインもうなずく。
「よし 小船が接岸したら作戦開始だ
散開」
右手を、前に突き出すアーバイン。
「はッ」
走り出す、ナージャ彡。
「オレは どうすれば ??」
ワーカストが、自分に指示がないので疑問に感じ聞くと、
「あぁ ワーカストさんは ヘリを守って」
そう言うと、アーバインはナージャ彡を追うように走り去る。
「あーなるほど
あまり 信用してないんだな」
小声で、そうつぶやくワーカスト。
「急ぐぞ ナージャ彡」
ヒョコヒョコ走るナージャ彡の両肩を掴んで押すアーバイン。
「はーい
ゲホッゲホッ
あ………あかい」
少し、足がもつれるナージャ彡。
「気をつけてね なーじゃみさん」
手を、振るあたし。
「オッケーよ キョウカ」
アーバインに、押されながら顔を後ろに向け手を振るナージャ彡。
「ふぅ~
取引現場を しっかり見て 接触した瞬間にお金とキンの両方をいただく
わかったわねサ」
そこまで、話すと強く背中を押された衝撃がはしり、
「わっ」
崖の、景色が目まぐるしく変わり一気に海岸線の岩が視界に飛び込んでくる。
「落ちるぅ」
パカーン
勢いよく、大きな岩に頭を打ち付けて血が吹き出すあたし。
あー、ビックリしたぁ~。
ゲームとはいえ、心臓が止まるかと思った。
「………ッッツ
誰よ 誰が押したの ??」
崖の上を見ると、サラが覗きこんでいる。
まさか。
「やったわね」
でも、背後に人の気配を感じて岩陰に隠れる。
「おかしいな」
男の、一人が岩場を覗きこむ。
ヤバい、もっと縮こまって隠れなきゃ。
「どうした ??」
「ここらへんで 物音がしたんだ」
「気のせいだろ
ホラ 船がつくぞ」
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