第25話

「ちょっと うらやましいかも」


 なんだか、少し嫉妬しちゃうな。

 とはいえ、PKしまくりのあたしに人気が出るわけないんだけどね。


「人気は ないですよ

フォロワーも そんなにいないし」


 謙遜するサラ。


「そうなんだねぇ」


 サラさんより、人気のないあたしはどうすりゃあイイのさ。


「やあ みんな」


 車に乗って、ワーカストさんが戻って来たけど、


「あれ ワーカストさん用事があるってログアウトしませんでしたっけ ??」


 どうなっちゃったんだろうね。


「あぁ もう大丈夫ですよ

用事は済みましたので」


 ニコッと、しながら答えるワーカスト。


「それなら 一緒にミッションしない ??」


 ターザニムが、ワーカストを誘う。


「えっ 新しいミッションが解放されたのですか ??」


 まぁ、普通はそう思うよね。


「いえ そうじゃなくて サラさんとフォーメーションの確認というか練習をしたくて」


 ちゃんと、意思疎通がとれないとね。


「シミュレーションしてみるってことだね?」


 納得したように、うなずくワーカスト。


「そう そのシミュレーションをこれからやろうかなってみんなで言っていたんですよ」


 ワーカストさんが、参加してくれたらあたしも楽しいし。


「おもしろそうだな

よし参加しよう」


 やったー、これでどんな人かわかるね~。


「よーし決まり

でさぁ どのミッションでシミュレーションするか?」


 アーバインが、そう聞くと、


「金を密輸するミッションがあったでしょ アレが イイでしょ」


 あたしが、そう提案してみる。


「あぁ コールドラインだったっけ ??」


 アゴを、さわりながらうなずくアーバイン。


「そう そんな感じ」


 人差し指を、立てるあたし。


「よーし やろうぜ」


 首を、左右に倒しコキコキするアーバイン。


「あの わたしやったことないので大まかに流れを教えてもらえますか ??」


 丁寧に、聞いて来るサラ。


「そうよね

最初 海岸沿いの丘陵地から始まって岬にヘリコプターがあって そこに2人立っているからまず倒すでしょ ??」


 簡単な、説明をするあたしに、


「あの~」


 概要を、話している途中で声を出すサラ。


「はい サラさんなんでしょう ??」


 あまり、話の腰を折られるの好きじゃあないけれど新しく仲間になって早々にギクシャクするのもなんだし。


「倒すって 殺すってことでしょ?」


 真顔で、聞いて来るサラ。


「ええ その通りよ」


 そりゃあそうでしょ。


「無益な 殺生はしないの」


 えーッ。

 さんざんあたしをPKしておいてよくもまぁ言えたわね。


「アハッ

そいつら 悪い組織の人だから殺してもオッケーなのよ」


 苦笑いするあたし。


「そうなんですか」


 首を、かしげながらしぶしぶ納得するサラ。

 もう骨が折れるなぁ。


「うん

それじゃあ続きを話すわね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る