第17話
「タン塩タン塩~」
運ばれて来た、牛肉を一人で焼き網の上へと並べるあたし。
労働の、あとは補給しないと体が持たないわぁ。
ジューーッ
「あー
妹の邪魔が入らなければ今ごろあの人を誘って焼き肉をするんだったのにぃ」
くやしい。
くやしすぎるよ。
おごらしてやるつもりだったのに。
「あと もう一押しで落とせそうだったのになぁ~」
牛タンを、ひっくり返す。
まぁ、冷静になって思い返すと、
「ん~
そうでもないか………」
まぁ、また指名してくれるみたいだしあせらずに待ってみようかな。
ヴィーヴィー
スマートフォンが鳴り、画面を見るとアーバインからメッセだ。
『おーい
なんかあったか ??』
ヤバい。
一言、言おうと思っててそれっきりだわ。
ちょっと、あせるあたし。
『ごめんなさい
急に 仕事が入って行って来たから』
まぁ、デスマッチ中に勝手にログアウトするなんて友達を無くしても仕方ない案件だけどね。
急に、旦那がVRゴーグルを外すからこうなったのよ。
まったくもう。
『とりあえず 無事ならよかったよ
仕事 頑張って』
やっぱり、アーバインは優しくて頼りがいがあるなぁ。
『ありがとう
また もう少しあとでログインするからね』
サッサと、ゴハン終わらせて帰ろーっと。
ガサッと、網に皿の肉を放り込む。
『おう 待ってるぞ
このまま サラに負けっぱなしじゃあ気が済まねえ』
気合い入ってるなぁ。
イイぞ。
『そうよね
サラを とりあえず倒さないとね』
まぁ、倒すだけの実力もなければアテもないのだけれども。
『おう !!』
まぁ、マグレでも1勝してるしなんとかイケるっしょ。
『1時間後ぐらいにはインするから』
生焼けの、肉塊をクチへと突っ込む。
『わかったぜ』
『うん』
「よーし
どんな手を使ってでも サラを殺してやる」
肉を、運んで来た店員と目が合う。
まわりを、見回すとお客さん達の矢のような視線があたしに向けられている。
「あっ そういう意味じゃあないんです
オホホ………」
ただでさえ、一人で牛肉を食べているのが恥ずかしいのに変に周囲の凝視を一身に浴びてしまっている。
あー、穴があったら入りたい。
「あっ コゲちゃう
食べないとー」
独り言を、言いながら肉を頬張る。
「あー 早いとこ帰ろう」
そそくさと、焼き肉屋さんを出てコンビニでジュースとおにぎりを買って家路へとつく。
「これで 夜食も確保したし
覚悟しなさいよ」
家に、帰るとまだ旦那は帰って来てない。
「よーし
好都合だね」
さっそく、ベッドに座りVRゴーグルを装着して横になる。
「さてと ステータスオ………」
はたと、通知が来ているのが目に止まるあたし。
「あれ なんだろ」
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