第2章

第15話

「うーん」


 色々、やってみた結果あたしは男の上半身を脱がせうつぶせに寝かせてマッサージしてみることにする。


「すっごく肩がこってますね」


なんとか、気持ちよくなってヤル気を出させないと次につながっていかないからね。


「そうですか ??」


 気の、ぬけたような言葉を出す男。


「はい 肩から腰にかけてカッチカチですよ」


 緊張しているからなのかな。

 なぜか、凝り固まっているんだよね。


「はぁぁ」


 なにか、納得いってないようにため息を出す男。


「お仕事の疲れで固くなっているんでしょうか ??」


 それとなしに、聞いてみる。


「そうかも知れません

業務でパソコンを使っているもので」


 どうやら、同業者じゃあなさそうね。


「そうですか

休みの日とかは なにをされているのですか ??」


 あまり、口数の多い人じゃあないから趣味とかでどんな人か判断しよう。


「そうだな~

ゲームをしたりとか」


 おっ、イイね。


「そうなんですね」


 つい、ニヤリと笑ってしまう。


「はい

インドアなんで」


 向こうを、向いていてよかったわ。

 変な顔を、見せるところだった。


「へぇ~

それじゃあ オンラインゲームとかもやりますか ??」


 胸の、高鳴りを抑えつつ冷静を装う。


「たまにしますね」


 キタコレ。

 お客さんと、趣味が一致するなんてうれしいな。


「それじゃあ グランオート・エルドラドってゲーム知ってますか ??」


 あー、ドキドキするわ。


「聞いたことあるぐらいですね

けっこう人気があるみたいよね」


 やってはないけど、知っててよかった。

 むしろ、自分のことを知らないのは逆に好都合かも知れないよ。


「そうなんですよ

あたしハマってて」


 沼ってるっていうのが、正しいけど。


「きょうかさんって そういうゲームが好きなんですね」


 なんだか、引かれるかと思ったけどイイ感じだね。


「うーん

やっぱり 女なのに変ですかね ??」


 念押しで、ホンネを聞いてみる。


「いえ 全然アリだと思いますよ」


 けっこう、マジなトーンで話す男。


「それは うれしいお言葉

ありがとうございます」


 またがっている股間が、ムズムズするわ。


「今度 一緒にプレイ出来たらイイですね」


 わざわざ、始めてくれるのかな。

 まぁ、おべっかかも知れないけれど。


「ホントですか? うれしいです」


 そう言うと、背中のマッサージをやめて、


「はい 仰向けになってくださいね」


 腰を、浮かせるあたし。


「はい」


 男を、仰向けにしてまた下半身にまたがると多少固くなっているようだ。


「それでは マッサージの続きをやりますね」


 がぜん、マッサージに熱が入るあたし。


「はい お願いします」

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