第14話

「はい

ヨガインストラクターの陣沢です

順也さんご在宅でしょうか ??」


 ちょっと、頬を赤らめながら名乗るあたしだけどね、


「どうも 坂井 順也です」


 さわやかそうな、好青年といったところね。


「あなたが 順也さんですか」


 本人みたいね。

 少々、テンションの上がるあたし。


「そうです

なんか ヨガのインストラクターってもっと歳をとっているかと

失礼ですが おいくつですか ??」


 どうも、ヨガのインストラクターをしているのは30代が多いのでそう思っているみたいだね。


「アハッ

次の誕生日が来たらハタチになりますよ」


 まだ10代だと、正直に言っておくあたし。


「そうですか まだ19とはすごい若いですね」


 ビックリした表情になる順也。


「若いって お客さんによく言われます

一応チェンジできますけど」


 若いからって、クレームを入れられるとイヤなのでね。

 先に、言っておかないとね。


「いや お願いします」


 ニコッと、笑う男。


「は~い」


 とりあえず、大丈夫みたいだね。

 手招きしているから、玄関の中に入る。


「こっちです」


 クツを、脱いで廊下を歩くと家の中は案外大きい。


「はい

今日は ご家族は ??」


 途中であいさつするのも、面倒だから早くしておきたい。


「あぁ 両親は旅行に行ってます

妹は バイトで外出しています」


 と、いうことはこの家で二人きりなんだね。


「そうなんですねぇ」


 ニヤニヤが、止まらないあたし。


「この部屋で やりましょう」


 畳敷きの、部屋へと案内される。


「はい

服は そのままでヨガしますか ??」


 だいぶ、汗だくになるからね。


「はい ヨゴレても大丈夫な服です」


「わかりました

それでは 服を着替えますね」


 着替えると言っても一番下に、うす水色のハイレグを着ているから上着とパンツを脱ぐだけなんだけどね。


「はい オッケーです」


 だいたい、この衣装でイチコロなんだよね。

 楽しみ。


「はい お願いします」


 アレッ ??

 反応なし ??


「はい それじゃあ軽く柔軟から」


 そのうちぼっき、してくるでしょ。


「はい」


「まず座って 足の裏を合わせて」


 向かい合って座る。

 足の裏を、合わせて自分の方に寄せていくと、それをマネして寄せているが苦しそうね。


「こうですか ??」


 だいぶ固いね。


「そう

それじゃあ あたしのマネして」


 そのまま、前に倒れこんでペタッと地面に胸をつくあたし。


「うぅっ」


 見てみると、全然だね。


「そう もう少し」


 ちょっと、様子を見るあたし。


「うううっ」


 体を、前後に揺らして勢いでやる男。


「かたーい

カチカチね」


 あまり、こっちを見ずに黙々とやっているのでやり方を変えてみる。


「背中 ちょっと押してあげるわね」


 たぶん、ウブだから体を見ないのよ。

 男の、背中に胸を押し付けるあたし。


「これで どうかしら」

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