第12話

「ゴクッゴクッ プハァー」


 噴水広場の、水飲み場でノドを潤すメンバー。


「ステータスオープン

水分量100%ね」


 あまり、長い距離を走ると水分量がゼロになって走らなくなる。

 アイテムに、水筒があれば長時間走れるが宝箱には入っていなかった。


「よし ヤツらが来る前に アイテムをゲットしようぜ !!」


 アーバインが、サムアップしながら言う。


「了解」


 素早く、家々に入って行くあたし達。


「今回は 最高なアイテムが 引けますように」


 祈る気持ちで、ドアを開ける。


「レア アイテム来いっ」


 宝箱を、開けた瞬間に目の前が暗くなる。


「おふぅ」


 やってしまった。


「モンスターに喰われた~」


 宝箱に、擬態したモンスターに捕まってしまって身動きがとれない。


「おい 大丈夫か」


 リスナーさんの声だ。


「こっちだよ~」


 とりあえず、助かりそう。


「よし 今から助け」


 会話が、途切れる。


「キャアー」


 ナージャ彡の、声が響いて来る。


「なに? なにが起きてるの ??」


 必死に、体の向きを変えようともがく。

 視界の端に、どこかで見たような女の姿がある。


「ちょっと 待ってくれ

敵の剣士がいる」


 アーバインの声だ。


「剣士? あっそいつ」


 そうだ。

 デスマッチに、切り替わる前に戦っていたサラって名前のヤツだ。


「ぎゃあ」


 ナージャ彡が、至近距離でうめき声をあげる。


「ヤバいって

そいつの間合いに入ったらダメよ」


 どうやら、このままではパーティー全滅だ。

 その前に、なんとかしないと。


「回復魔法を………って

まずキョウカを 助けないと」


 アーバインが、駆け寄って来る。


「ふぃぃ 助かった」


 宝箱から出たツルを、アーバインが切って助けてくれる。


「いや まだだ」


 苦痛な、表情のアーバイン。


「現状は ??」


 とりあえず、別の部屋で戦っている音がする。


「リスナーさん1名死亡

ナージャ彡さん瀕死の重傷

今 ターザニムが戦っているがいつまで持つかわからない」


 非常に、戦況はマズい。


「わかったわ

とりあえず なーじゃみさんを魔法で回復させ………ってアーバインもすごいケガ」


 片ヒザを、ついているアーバインの腹部から出血がある。

 顔から、汗を吹き出し痛みに耐えている。


「おれはイイから」


 苦笑いするアーバイン。


「よくないよ

ちゃんと見せて」


 治癒魔法を、かけるあたし。

 優しい光が、アーバインを包む。


「全回復した ありがとう

それじゃ 一暴れしてくるわ」


 そう言うと、ターザニムの加勢へと走って向かうアーバイン。


「よし次は なーじゃみさん」


 目の前に、おそらくあたしをかばって斬られたナージャ彡がクチをパクパクさせながら横たわっている。


「あたいは あとでイイよ」


 小声で、そう言うナージャ彡。


「そうは いかない

全員 助けたいんだ」

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