第6話

「なんか ノーマルポーションしかなかったわ~」


 あたしが、そう言うとナージャ彡さんが、


「ほい ハイポーション」


 目の前に、アイテムをポトリと落としてくれる。

 ターザニムのチャンネルのリスナーさんだけど、色々世話を焼いてくれるから助かるのよ。


「ありがとう なーじゃみさん」


 あたしが、感謝の言葉をかけると、


「ごほっごほっイイのよ」


 いつもの調子で、返して来る。


「今 小さいリュックだから もういっぱいじゃあないか ??」


 そう、アーバインが聞いて来るので、


「そうね

早く 大きなリュックをゲットしないと魔法の杖とか竜の尾とか入らないわね」


 魔法のステッキを、持ったまま走ると多少スピードが遅くなる。


「そうだよ

後方支援と回復魔法はしっかり頼むよ」


 あたしって、こう見えてけっこう頼られるんだよね。


「わかってるって」


 胸を、叩いて腰に手を置く。


「おーい 車ゲットしたぞ !!」


 別の、リスナーさんが路上で車を調達してくれたみたい。


「おぉ やったな

よし 乗り込んでとなり町まで行こう」


 アーバインが、リスナーさんが盗んだ車に乗り込むのでみんな車に近付く。


「了解」


 助手席に、乗り込むあたし。


「あー オレ乗れない」


 次々と、乗り込む中リスナーさん1人が乗れない。


「定員オーバーだわ~」


 たぶん乗れるけど、冗談半分で言ってみる。


「あっ 走って行くから」


 と、言い残し走り去って行く。


「よし 出発」


 リスナーさんが、運転する車に乗って移動するのだが、


「あぁあぁあぁ」


 道の上を、蛇行したかと思えば草むらにまで突っ込む荒い運転を披露するリスナーさん。


「ちょっと もう少し 道を走らないと」


 そうこう、言っていると案の定、


ゴーン


 道路端の、大きな石に正面衝突する。


「あー 岩だよそれ」


 アーバインが、つっこみを入れる。


「ハハハ ごめん」


 リスナーさんが、笑いながら謝る。


「ちょっと 誰か運転変わった方がイイんじゃあない ??」


 あたしが、そう言うと、


「あっ 大丈夫」


 と、運転中のリスナーさんが言うので、


「いや 全然大丈夫じゃあないって」


 みんなで、突っ込む。


「そっちダメだって」


 カーブを、曲がりきれずに崖から飛び出す車。


「うはぁーー」


 着地に、失敗して勢いよく横転する車だが奇跡的に助かって、


「うわー まだ走るぜこの車」


 爆発を、免れたのはよかったがボディがベコベコで走り続ける。


「耐久力すごいな」


 舌を巻くアーバイン。


「もう少しで 川へ突っ込むかと思った」


 なんとか、となり町にたどり着いて車から降りて、また住宅の物色に入る。


「まだ 荒らされてないな

この町にはまだ来ていないか」


 アイテムボックスを、開けながらアーバインがつぶやく。


「そうみたいね」

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