第3話

「さあ いっちょ揉んであげますかねぇ」


 村正に、手をかけた時、


ヴィーヴィー


「あっ リアル世界のメッセか」


 あたしは、中学生の頃にヨガインストラクターの先生になってそれ以来、時々仕事の依頼が来るの。


「あー 自宅訪問でヨガの予約

了解」


 さて、気をとりなおして。


「よーし 覚悟しなさい」


シューン


 甲高い金属音と共に、ギラつく刀身が姿をあらわす。

 それからは、薄黒いモヤが絶え間なく放たれて初心者なら放り投げるでしょうね。


「面白い

討伐してやるぞ」


 魔法使いの男が、大声で叫ぶ。


「討伐って あたしってモンスターかなにかなのかなぁ」


 本当に、他人をバカにしてるわ。


「うるさい

ミナゴロシの狂華 !!」


 あーやっぱり、こういうの迷惑しちゃうよね。

 別のゲームで、負けた腹いせにやって来るヤツ。


「あのー

ここでは 僧侶をやっているので 出来ればよそに行ってもらえませんかねぇ」


 丁重に、お願いして引き取ってもらおうね。


「うるさーい」


 ダメだな、こいつは殺らないと。


「ハーッ」


 素早く、相手のふところへと体を入れると刀を振り上げるように斬ろうとするが、


「なんのォ」


 あたしの、目の前に石が浮き上がり斬激を吸収して細かいキューブになって散る。


「あっ !!」


 バランスを、崩したあたしはヨロけて倒れそうになるが、なんとか踏ん張って耐える。


「おらよっ」


 魔法使いの男の拳が、脇腹へとヒットする。


「くっ………」


 あたしが、しゃがんだところへ蹴りを入れようとする男。

 横になって、回転しながらかわす。


「魔法使いのクセに 拳を振るって来るなんてね」


 どうも、血の気が多いヤツだなぁ。


「ここで お前を確実に倒す !!」


 全く、こっちの言ってることなんて聞きやしないわね。


「お前らって 何人でパーティー組んでるの ??」


 敵の、人数を把握したいわね。


「お前に 話す必要はない !!」


 とりつく島がないね。


「でも 誰も助けに来ないじゃあないのよ」


 こいつ、1人であたしに勝てると思ってるのかな。


「うるさい

オレが 手出しするなと言っている」


 そういえば、マップ上に誰か映ってるわ。


「なるほどね

どうりで ジッと動かないプレーヤーがいるんだな」


 こいつを、倒せば出て来るわけか。


「これでも くらえ !!」


 石が、シャワーのように降って来る。


「もう 攻撃が ワンパターンで さすがに見切ったわ」


 サッと、男の横に移動して通りすぎざまに脇腹をえぐる。


「うぎゃあーーっ」


 勢いよく、血しぶきを出して倒れこむ男。


「さてと

隠れてないで 出て来なさいよー」


 マップを見て、その方向に話かける。


「………ふっ」


 ポニーテールの、女がビルの陰から出て来る。


「女? あなたもあたしを殺りに来たの ??」


 拍子抜けするあたし。


「今 死んだヤツの 用心棒でね」


 はーん。


「それは おあいにくさま」

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