第1話
「ステータスオープン」
VRゴーグルを装着して横になり、グランオート・エルドラドの世界へと没入する。
「MPは 全回復してるわね」
世界観は、銃の無い近未来で剣と魔法で強盗ミッションをクリアするのがストーリーモードなのよ。
あたしの名前は、きょうか。
プレイヤーネームは、キョウカ。
でも、みんなからはミナゴロシの狂華って失礼しちゃうわね。
「今日も あの人に会えるかなぁ」
本編の方は、みんな攻略済みで時々追加されるミッション以外は、オンライン上で仲間と楽しく過ごすような雰囲気になっている。
「さてと 着替えるかなぁ」
リアル世界では、パジャマだがゲームの中の職業である僧侶にパッと衣装を変える。
しかし、腰には村正を装備している。
「よーし 出かけるかぁ」
2階の、ベッドルームから駐車場へと行くと真っ赤なフェラーリに乗り込みエンジンをかける。
「フレンドは………
いつものところね」
修理工場の前に、広場がありだいたいそこにたむろしている。
爆音を、あげて一気に街を疾走する。
「おはよー」
車から、颯爽と降りると眼前にアーバインがいる。
「おっ おはよ………
うぎゃあ」
アーバインは、うしろから来た猛スピードの車にはねられて散った。
華麗に、かわすあたし。
「あー
そこ道だったんで」
はねた車から、男が出て来る。
でも、声は女だ。
「ちょっと 本多ちゃん」
この子は、リアルでも付き合いのあるプレーヤーで、ツ・イッターで知り合った。
「えっ 本名を言わないでよ
ターザニムな」
本人は、ゴリマッチョなプレーヤー姿からは想像出来ないかわいらしい人だ。
「あー ゴメンゴメン
タンザニアちゃん」
両手を、顔の横でヒラヒラさせてあやまる。
「とりま 斬ろうか ??」
腰の、大剣を抜刀するターザニム。
「いや 遠慮しとくわ」
苦笑いするあたし。
「よーし 帰って来たぞ」
リスポーンして、走って戻って来たアーバイン。
「お帰り」
近くの、路上にリスポーンするのでその場でPKされることもある。
運が、よかったね。
「狂華様に PKされるならわかるが ターザニムにやられるとは」
ダラダラと、汗を流すアクションのアーバイン。
「ちょっと 問題発言よ それ~」
腰に、手を置き怒って見せるあたし。
「へへっ
キョウカの マネしてみた」
みんなが、言っているのは前にハマっていたゲームで、超強力な機関銃M60を手に入れて無性に、ぶっぱなしたくなっちゃって垢バンに無事なりましたとも。
「だから 今世では僧侶をしてるのよ」
このゲームでは、PKしないようにしないとね。
「じゃあ 腰のカタナは なんだよ ??」
あたしの、腰を指差すアーバイン。
「これは その
護身用そう護身用よ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます