第46話
「あれ?何処に行ったんだろ?」
いきなり消えた年神様を探す為にキョロキョロと辺りを見回すが、年神様は見つけられない。
「姿を隠しただけですよ。気にしなくても問題ありません。」
「そう言うもの?」
「そうです。帰るその日まで家の何処かに居ますよ。何かあれば出て来ます。」
そう言うものなのかと納得すると、俺は食べかけのお節料理を食べて行った。
朝食のお節料理を食べ終えればお父さんからお年玉を貰ったりしていると、お母さんが年賀状の束を持ってやって来る。
お父さんやお母さんに姉さんには年賀状が届いており、送られた年賀状の対応をしているが、俺には数枚しか届いていないので、それほど時間が掛からずに終わり暇になる。
正月の特番を見ている雷珠の元に向かい、一緒にテレビを見ていたが、それも飽きた俺は2階の自室に戻って身体を動かさずに出来る修行を葉月とするのだった。
それからしばらくして昼食の時間になると、俺のことを呼びに雷珠がやって来た。
「ご主人、ごはんの時間だぞ。」
「もう、そんな時間なのか。お昼ってなんなのか聞いているのか、雷珠?」
「お節の残りと雑煮だってさ。それに餅もあるぞ!早く行こうぜ!」
お節料理の残りなのには飽きるが、あんこやきな粉で食べる餅は美味しいので楽しみだ。
お節料理やお雑煮を食べて行き、最後に出されたあんこ餅やきな粉餅を食べていく。
「ハジメちゃん、お餅のおかわりはいる?」
「うん!餅はあんこが良い!!」
空になった皿をお母さんに手渡すと、おかわり用の餅の上にあんこをかけて持って来てくれた。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう!」
渡された皿の上には熱々の餅の上にあんこが乗っているあんこもちを食べていく。
次にきな粉餅もおかわりして2種類の餅を2つずつ食べた俺は「ごちそうさま」をして、また自室に戻って修行を開始した。
食後の為、激しい運動を行なう修行をすぐには行なわずに身体を動かさずに出来る修行を俺と雷珠と葉月とクロノワールの4人で行なっていく。
順番にそれぞれが数字を言い、その数字の数と同じだけの数の霊力や妖力の玉を作る。
そんな修行を行なっていると、姿を消していた年神様がひょっこりと現れる。
「ッ!あっ!!」
「にゃ!?」
いきなり年神様が現れた事に驚いてしまい、俺とクロノワールは制御していた霊力や妖力の玉が弾けて霧散してしまう。
「ハジメ様、何があっても動じたりしてはいけませんよ。常に冷静に集中です。」
「そうだぜ、ご主人。現にオレと葉月は、ほらこの通りだ!」
雷珠と葉月の手元にある妖力の玉は綺麗な形に纏まっていた。
それに比べて俺やクロノワールは維持していた霊力や妖力の玉は残っていない。
「いきなりパッと現れたら驚くじゃん!」
「にゃにゃん!!」
流石にいきなり現れたのは驚いてしまって失敗だってしてしまう。
これが雷珠や葉月の様に制御する事が出来るのならもっと上手く出来ているだろうと、言い訳してしまう。
「それにしてもなんで年神様が現れたんだろう?」
「何をしているのか気になったのかも知れませんね。見られてても気にせずに修行して行きますよ。」
「うん、そうだね。気になるけど。」
「にゃー!」
それからも修行を行なっているが、年神様は何処かに行く事もなく、俺たちが修行している姿を見ていた。
そして腹ごなしに身体を動かす修行を空間保存壺で行ないに向かうと、年神様は空間保存壺の中にも入って来ており、ストレッチから始まりマラソンと続いて行き、最後に模擬戦が始まって模擬戦が終わる頃にはいつの間にか年神様は消えていた。
そんな正月の初日を過ごしたハジメだったが、それから冬休みが終わるまでの間、何処かに遠出しないでほとんど1日中家の中で過ごしていた。
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