第43話

 生体エネルギーの霊力への変換後、変換した霊力を生体エネルギーと一緒に、身体の内側で巡回させながら操作・制御し瞑想しながら過ごしていると、膝の上に重みを感じて目を開ける。


 「うにゃん!」


 「クロか。」


 「にゃん!」


 重みの正体を理解して、なんで雷珠や葉月がクロノワールが邪魔をしない様に止めなかったのかと2人が居る方を見る。


 すると、そこでは2人が真剣な表情をしながら将棋を行なっていた。


 どちらも無言で集中しているせいで、クロノワールが俺の元にやって来た事に気が付いていても負けない為に声を掛けられなかったのだろう。


 雷珠と葉月が2人で将棋やオセロなどのゲームをしていると、こう言うことはよくある事だ。


 俺も集中力が切れてしまったので、膝の上に乗っかるクロノワールを撫でながら、ぼーっとしていると雷珠の喜ぶ声が聞こえてきた。


 「今回はオレの勝ちだぜ!!」


 「くっ、負けました。」


 喜ぶ雷珠と反対に悔しがる葉先。そんな2人の元にクロノワールを抱き上げて向かう。


 「今回は雷珠が勝ったんだね。」


 「おう!これで将棋では32勝26敗だな!まだオレが勝ち越してるぜ!」


 「オセロなら私の方が勝ってるんですからね!」


 それから3人でボードゲームやトランプなどで遊んでいると、今日は大晦日だからと早い時間帯で夕食を食べる事になる。


 5時前からホットプレートを使用した焼き肉を家族全員(雷珠と葉月も)で食べると、大晦日の特番を見ながら過ごして行き、夜の8時前に年越し蕎麦をみんなで食べた。


 それから9時までに寝支度を済ませたが、子供の身体では夜中の12時まで起きて居られずに9時には眠りに付くのだった。


 「うぅ、寒い…………あったか……。」


 足が布団の外に出ていたせいで寒くて目覚め掛けるが、一緒に眠っている葉月の尻尾に抱き付いて暖を取ると、また瞼が閉じて眠ってしまう。


 ギュウーッと尻尾を抱き枕の代わりにしていると、葉月の尻尾がするりと俺の腕の中から抜けてしまい、また寒気を感じて目を覚ましてしまった。


 「……どこ、だ?」


 葉月の尻尾を探す為に布団の中で手を伸ばして探すが見当たらず、代わりに葉月の柔らかな身体に手が触れる。


 目的のもふもふしたあったかい尻尾でない為、葉月の尻尾をまだ探していると、そんな俺のことを葉月が抱き寄せて来た。


 ギュウッと葉月に抱き締められると、顔に柔らかな感触を感じて抱き締められる力強さもあり、良い匂いを感じながら目を開けて確認すると、目の前には葉月のおっぱいがそこにはあった。


 そこで今日は葉月と寝ているんだったと思い出していると、抱き締める力が強くなって行き、顔全体が葉月の柔らかな2つのおっぱいに挟まれる。


 「息苦しい……。」


 「んっ……あっ!」


 顔をぐりぐりと動かして息をしやすくしようとすると、頭の上の方で色っぽい声が聞こえて来た。


 そしてなんとか身体を反転させる事に成功すると、俺は葉月に抱き締められたまま、窓を確認して外が暗い事を確認するともう一度眠りに付くのだった。


 それから数時間後に俺は雷珠に起こされる事になる。


 「ご主人、起きろ。初日の出を見るんだろ?葉月もご主人を離してやれよ。」


 身体を揺すられて目を覚ますと、すぐ側に雷珠の顔があった。


 「雷珠、おはよう。」


 「起きたんだな。おはよう、ご主人。今から葉月を引き離すから待ってろよ。」


 布団を引き剥がした事で寒さからか、ギュウッと俺のことを葉月は抱き締めて来る。


 そんな葉月を雷珠が引き剥がそうとするが、葉月は尻尾まで使って必死に抵抗した。


 「寒い、です。布団を戻して、くださいよぉ。」


 葉月からの抱き締められる力が強くなって痛みを感じ始めるなかで、雷珠は最後の手段だと手のひらに雷を薄く纏わせて葉月のお尻を引っ叩く。

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