第14話 【学校へ・3】
その後、実技試験から始めると説明を受けた俺は職員の人に試験場へと案内してもらった。
実技試験に関して、協会の試験とは違い試験官との戦闘が行われる事になった。
試験官は元Bランク探索者の人らしく怪我で探索者を引退して、学園の先生をしている人と戦う事になった。
「はじめまして、試験官を務める事になった。
「はじめまして、
互いに自己紹介をした後、試験についての説明をしてくれた。
試験内容としては、先生との一対一形式で、武器の使用は可能だが学園が用意した物しか使えない。
「君は片手剣と盾の前衛タイプなんだね」
「前衛ですが、一応魔法も使えるんですがどうしたらいいですか?」
「魔法も使っても大丈夫だよ。これでも怪我して引退はしたけど、探索者としてそこそこ活躍してたからね」
それから準備運動をして、互いに立ち位置についた。
試合開始の合図は、藤堂さんが時計を設定して音が鳴った瞬間、試験が始まった。
「ッ! な、なに!?」
試合開始して直ぐ、俺は様子見はせずに一気に藤堂さんへと近づき武器を振り下ろした。
そこそこ本気の速度で行った俺の攻撃だが、ギリギリの所で藤堂さんは盾で受け止めた。
「す、凄い攻撃だね。こんな攻撃を受けたのは、現役の頃でもそんなに無いよ……」
藤堂さんは痺れてる腕を見ながら笑みを見せ、目を見開き今度は藤堂さんから攻撃を仕掛けて来た。
俺は攻撃力ガン振りタイプだとすれば、藤堂さんは相手の動きを見て攻撃の仕方を変えてくる技術型タイプだと感じる。
「……ここまで何も出来ないと感じたのは、怪我をして直ぐの頃だよ。蓮君、本当に君は15歳なの?」
「15歳ですよ。ちょっと行方不明期間が五年間程ありますけどね」
その後、俺と藤堂さんの戦いは五分程で終わった。
結果として俺の圧勝で試験は終わり、補助技能と筆記試験も無事に終わった。
「蓮君、筆記試験どうだった?」
「う~ん……自信はあるけど、絶対とは言いきれないかな。やっぱりこの世界の勉強がちょっと分からない所もあったから、もっと勉強しないと」
正直、歴史とかは暗記科目でまだ解けたが数学と理科がちょっと自信がない。
その他の科目はそこそこ解けたから、落ちる事は無いだろうけど少し心配ではある。
「まあ、学園に入って頑張る事が明確に分かってて良いと父さんは思うぞ」
「そうね。でもあんまり頑張り過ぎても駄目よ? 戻って来てまだそんなに経ってないし、焦らず生きて欲しいわ」
「大丈夫だよ。全然焦ってないし、今は気楽に生きてるから」
心配してくれた母さんに俺はそう言い、それから試験か全て終わったので学園を出る事にした。
学園を出た後、時間的にはお昼過ぎだったので昼食を食べに行く事にした。
今日は時間的にも余裕があり、クロ姉からおススメの店があると言われて連れてきてもらった。
店は寿司屋で、見た感じ高級店っぽい感じだった。
「く、黒羽ちゃん私達も入って大丈夫なのかしら?」
「お、俺達は場違いじゃないか?」
父さん達はそんなお店に来て、委縮したようでクロ姉にそんな事を聞いていた。
「大丈夫ですよ。ここの店主とは私達は知り合いですから」
「それにしても、蓮君は逆に堂々としてるね。こういう所は向こうでも言った所あるの?」
「まあ、通う程ではないけど行った事はあるよ。それに向こうに行った当初は城に住んでたからね」
異世界召喚されて直ぐの頃、俺は勇者として旅に出る前に訓練をする事になった。
その際、俺が寝泊りしていたのは召喚された国の城。
それも勇者専用の城で、その城の中でも王室の次位に豪華な部屋で最初の頃は部屋の中を移動するのも気苦労していた。
そんな場所に何年も住んでいた俺は、高級店だからといって緊張はしない。
「おっ、一条家の三姉妹じゃないか。久しぶりだな」
店に入って話していた俺達の所に、店の奥から一人の男性が現れた。
三〇代半ば位の男性で、頭はスキンヘッドと中々に厳つい見た目をしている。
「お久しぶりです。桐生さん、今日空いてますか?」
「おう。大丈夫だぞ、それでそちらの人達は黒羽ちゃん達の連れかい?」
そんな風に男性から聞かれると、クロ姉は俺達の事を男性に紹介してくれて店の奥へと案内してもらった。
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