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ものすごくリアルで胸にせまるお話でした
誰もが一度は体験して忘れてしまうようなことが、一生を左右してしまうことは確かにある、と思わせて頂きました
主人公の孤独な少女に、昔風の魂論を吹き込む近親者が居ないことがかえって斬新な感じがしました
一種のアミニズムなのでしょうか、人の心とは不思議なものですね
作者からの返信
そう思って頂けたなら成功ですね。子供の頃は特に、他人から見れば些細な事がその後の人生にまで影響することがある、というのは私の実感としてあります。
魂論と言うのが何の事か分かりませんが、彼女にとって大事なのは「自分が好きと感じるものを好きと言えない、感じてはいけない」という制約です。なので、そこに魂が宿るかどうかは微妙に関わりが無いところです。
彼女にとっては、虫は虫で人は人、という部分があります。
一匹の虫と言えばそれまでのこと。相手の男の子も意地悪でやったわけでなく、人間を──もっと言えば、自分を見て欲しかったのかな、という気もします。
けれど彼女にとっては、それが全てになってしまったんですね。
それがきっかけで心を閉ざして苦しくなってしまったのでしょうか。確かに虫からしてみればみんな人間の身勝手なのでしょうけれど……。
なんだかいろいろと考えてしまいました。
作者からの返信
鋭いですね……!男の子は、何より自分を見てほしかったのです。その分彼女がカナブンを大切にしている気持ちも分かっていましたが、だからこそ悔しかったのです。虫に負けるなんて、と。
そして、彼女に対してはそれが救いのつもりでこんな行動に出たのですが、それは彼女の人生まで変えかねない呪いとなってしまいました。
虫との関わりによって、自ら呪いにかかる人、それがこの店にやって来るお客たちです。
年末にこんな暗い話で申し訳ないですが、頑張って続けていきます。