カロンの2セント

シキウタヨシ




2021年初頭頃作。掘り出したので





ビニールの傘が鳴るノイズ音灰色の空 雨というらしい




世世の果てここで全てがエンドマークそして新たにスタートを切る




心臓の上ら辺ある赤い痣ここを狙って射抜け流星群




白墨を踵の後ろにマークしてここがスタートと一歩踏み出す




ここが果てワールズエンドガーデンのマークは白い鳩のなきがら




鳥のようなあなたの枝となる約束 あなたは戻って来ない




茨城のつくば下しは寒かろなもう三月だぬくくなっぺよ




城でしたあれはまさしく不落の門わたしに入れぬカフカの小説




宇宙人地球を来訪するという数から言うと代表は虫




キミノセカイヲコワシタイとそう言うのだが突ついて来るしか出来やしない虫




双子葉植物の葉であるように静かな対でありたかった君とは




君の良さちっとも分からないなんてきっと奴らの頭はかぼちゃ




洗剤を変えよかトップとアリエールきみが気分を変えたいならば




透明なものになりたい例えればこの晴れた空の空気のような




わたしにはこの世渡りは厳しくて春空を飛ぶ鳥になりたい




まだ生きると朝陽さす川へ吠えつけてカロンの銀貨を水面へ投げた




東土より渡りたる鳥粥もてもとめる能わず広がりたるなり




よにあまたあふれるほどあるかたちたちそれすべてありのまんまのかたち




あくる朝起きたら寝癖が丁度エエサイヤ人になってた直す気はない




Radio GAGA 届けてよ僕にとびきりの脳味噌吹き飛ばすようなナンバー




Ave Maria 選ばれなかった僕たちはさながらレースに敗れた精子




100円になりますお箸はお付けしますサービスで笑顔入れときますね


このまんま西へひたすら西へゆけ海があろうと山があろうと




僕のことサーチライトで照らすように探し出してよ闇の中から




六畳間押し入れひとつ屋根ひとつそれがどうして片付けられない




筍に庭先で採れた山椒をのっけて食べる些細な贅沢




歩ひとつで角飛車落としてくそガキを破ったという叔父さんがいる




「ベッドからふとんにしたんは何でなん」「やらしいやんか」「田山花袋か」




語るなら背中でなくてこっち向き目を見て自分のことばで語れ




さらさらと耳の奥底骨の髄流れているのはわたしの孤愁




シャーペンは製図用だと決めている誰の真似でもなくいつからか




全然の使い方間違えてるよ「全然OKだよ」ってあなた




お宮さん何度参れば良ござんす足の裏の豆とうに潰れて




田舎では特急でしか急げない快速が全ての駅に停まるので




愛情をたくさんあなたにあげましょう。嘘でいいでしょどうせ安物




ピース吸う風も無いのに千枚の扉の閉まる音のする夜







/了

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