第3話 妹の料理が酷い!
料理がテーブルの上に乗っている…妹に彼氏ができて、頑張って作ったらしい。
妹は、料理を頑張って作ったんだ...作ったんだ、と思いたい。
が、見るからに、これを料理と言う物にカウントするには…料理と言う物に失礼だ。
それ以前に、問題が盛り沢山だ!
「おい!この料理…半分以上、炭になってるぞ。」
「いやぁ~何でだろうね?」
「自覚が無いのか?」
「ハハハ...。」
「答えは簡単だ!お前が料理から目を離したからだ!」
「やっぱり?バレた?」
「責任持って火を使え!一歩間違ったら火事になっていたぞ!」
あぁ、料理以前に安全認識が欠如している...こんな妹で良いのか、彼氏よ。
「基本的に火元のそばから離れない!小学生でも、そのぐらい守っているぞ!」
「じゃあ、私は小学生以下って言うの?」
「その通りだ!自覚しろ!」
「酷い事言うわね!」
「まず、それだけでも落第点だが、それを置いといてだ...ガスコンロの周りに飛び散った味噌汁について説明しろ!」
「何でだろうねぇ?味噌汁が冷めたんで温め直したら爆発した。」
...こいつ、ステンレス鍋で、かき混ぜずに強火で再沸騰させたな!
「おまえ、一気に温めようとしただろ。」
「おぉ!流石、兄上!私の行動を見抜くとは...。」
「褒められても、全然嬉しくない...どうするんだ、これ。」
「私の兄上は慈悲深きお方、まさか見捨てたりは...しないで!お願いだから!」
あ~あ、天井まで味噌汁まみれにしやがって...これは、かなりの手間だぞ!
あちゃ、こんな隙間まで味噌汁が...まいった。
「はぁ...とりあえず、ガスコンロの周りから片付けるぞ!」
「おぉ!流石慈悲深き兄上!」
「うるさい!さっさと掃除しろ!」
...それから1時間30分後。
「流石!兄上!プロは一味違う!」
「黙れ...お前のせいで、年末じゃないのに、年末大掃除並みに掃除する羽目になったじゃねーか!」
「彼女が喜ぶスキル発見!」
「...清掃代1万5000円になりまーす。払え!」
「な、なな、なんですと!」
「ムカついたから、金取る事にした...マケてやるよ、一万円。」
「酷い!か弱き妹から、お金をむしり取るの!」
「だって、取らないと、またやるだろ...反省しないだろ、お前。」
「うっ、ソンナコトナイヨ...。」
「それは置いといてだ...この机にある料理?料理なのか?おい!この物体どうやって作った?説明しろ!」
「料理を作ろうと思って、適当にやったら出来た。」
「...そうか、じゃあ食ってみろ!」
「...えっ!」
「いゃ、だから食ってみろ!」
「え、あ、や、無理...。」
「彼氏に食べさせようと思ったんだよな?」
「ま、まあ...。」
「なら、食べさせる前に、毒味は必要だよな?」
「...ごめんなさい、私が悪っかたです!許してください!」
そして、彼氏の健康は守られ、妹は自分の料理に屈した...。
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