第2話 妹の借金の取立てはキツい…。

ある日の朝、夜勤から帰ってきたら…部屋が片付けてあった。


あれだけ本やPCソフトが散らかっていた部屋が、見事に片付いていた事に驚き、一時思考が止まってしまった。


何故こんな状態に…ん?


机の上に見慣れたエロ本が綺麗にまとめられている…エロPCソフトもおまけ付きで。


こんな事をやる奴は1人しかいない、俺の妹だ!


「バカ兄、エロ本は楽しく読ませてもらったぞ!ただ、私の好きな凌辱系が少ないな!恋愛系は多いが…。」


後ろを振り向くと、そこには妹が立っていた。


「…お前がやったのか?」


「ああ、その通りだ!感謝しろ、バカ兄!」


「何をした!」


「片付けてやった!エロゲーは良い値段で売れたぞ!」


「売った?売っただと!なんて事しやがる!」


「大丈夫だ、私が今楽しんでいるソフトは売ってない。」


「ふざけるな!何勝手に人の物に手をかけているんだよ!」


「あとエロ本は…あまり良い金にならなかったな、私の好きな本だけ残しておいたぞ。」


「てめえ、まさか、あの絶版したレア本も売ったのか!」


「さぁ、机の上に有るのが全てだから。」


…最悪だ、あれを手に入れるのにどんなに苦労したか。


「文句言うなら、金返しな!」


「うっ、待て!もう少し待て!」


「ふざけるな!期限過ぎてるぞ!だから、お前の私物を売って金にしたのだからな!」


「やり方と言う物が有るだろ!」


「いつまでも、借金を返さないお前が悪い!」


くそ、車のローンさえ無ければ…。


「猶予は、私がエロゲーを全て制覇するまでだ、それまでに、金を用意出来なければ、残りのエロゲーは売って金にする!」


なにぃ!マジかよ!


「車のローンと私の借金、どっちが重いと思う?」


…うっ、何も答えられない。


究極の選択を押し付けられ、土下座して期限の延長を頼みこんだが、慈悲と言う言葉は俺の妹の辞書には皆無...。


あぁ、俺も悪いけど、もう少し慈悲のある妹ならと思う、今日この頃であった。

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