第八話:聖女様は止まらない


「いましたわ、確保ですわ!!」


「うむ、それがしにおまかせあれ!!」


「はぁ~これで何人目です?」



 いまここイージム大陸はドドス共和国でエマリアルたちは街に出没する魔族を捕らえていた。

 行く先々の街に出没する若い魔族を捕まえてきた彼女らは何時しか「魔を狩る聖女様」と呼ばれ魔王討伐の後の世界の秩序ちつじょを保つために尽力じんりょくしているとうわさされていた。



「しかし、このエルフの村でもらったマジックアイテム役に立ちますね。魔物や魔族を捕らえておくひょうたんって便利この上ない」


「まだまだですわ! あの子も私好みですわよ!!」



 実情は若い魔族の男の子たちを捕らえているだけであったが。

 しかしそれでも魔族が街に出現するのを捕らえるそれは人々に歓迎され、聖女である事もその噂を広めるには十分であった。


 エマリアルは若くて可愛らしい自分好みの魔族の男の子を既に何十人も捕らえ、ひそかに計画している土地で飼いならそうとか言い出していた。



「前に魔王を倒しに行く途中に魔族を封じる村がありましたわ。今では私たちによってその村は再封印しましたがそこには魔族を封じ込める結界がありますの。ですからこの子たちはそこに住まわせ、私が手取り足取り悪い事はだめだと教育をしますわ!」


「いや、エマリアル様の教育方針はあの魔族たちに抱き着いたり拘束して膝枕したりと奴等の精神と魔力をガンガン削っているじゃないですか?」


「更生させる為ですわ! あのもち肌、私に抱き着かれれる時の初心な反応、たまりませんわぁ♡」



 こいつホントに聖女かというフェチ全開っぷり。

 しかし彼女はいまだバージンのままである。



「なんかもう当初の目的どうでもよく成ってませんか?」


「ぐへへへぇですわ、そんな事ありませんわよちゃんとバージン捨てて理想の旦那様を捕まえるのですわ! あ、でもその前にこの子たちで十分に若い男の子成分を補充しないといけませんわぁ!!」




 どこかのスケベオヤジの様になる聖女一行は今日も魔族を捕まえに行くのだった。


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