大博打
東宝シンデレラオーディション後、少しばかりだがCMやドラマなどにも出るようになっていたとはいえ、当時はまだ無名の新人。なぜこのような大役に浜辺美波が抜擢されたのか。
経緯はわからないが、ともあれこの配役が大当たりした。当時14歳だった浜辺美波は透明感のある顔立ちに加え、天真爛漫な笑顔を振り撒き、漫画と実写の境界である絶妙なラインをうまく保ちながら、「めんま」を演じきったのだ。この反響は凄まじく、日本中に浜辺美波の名前を知らしめることになった。
余談だが、このスペシャルドラマでは、今となっては名の知れた実力派俳優が他にも多数抜擢されている。
宿海仁太:村上虹郎、松雪集:志尊淳、安城鳴子:松井愛莉、鶴見知利子:飯豊まりえ、久川鉄道:高畑裕太(!?)
ここまではずれ無しの配役を施した方は先見の明があるといえるだろう。
なにはともあれ浜辺美波はトップスターへの階段を登り始めた。その後CMやドラマでも声をかけられるようになり、いよいよ一つの節目を迎える。
それが2017年。大人気ベストセラー小説「君の膵臓を食べたい」の実写映画でヒロインの山内桜良を演じたのだ。これぞまさにはまり役で、彼女より適した人がいるのだろうかと思わせるほどである。おそらく原作を読んだ方でも違和感なく入り込めたのではないだろうか。
この作品での彼女の演技は広く評価され、第42回報知映画賞新人賞、第30回日刊スポーツ映画大賞新人賞、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞など、多数の賞を受賞した。
ただここで私は少し気になることがある、これら「賞」についてだ。
この時点での彼女の実力をもってすれば、山内桜良の演技程度なら難なくこなしていただろう。14歳の時点であれだけ「めんま」を演じきった彼女がさらにそこから腕に磨きをかけて臨んだ配役だ、絶大な安心感を持って観ることが出来る。
しかしどうも全て最後に「新人」とついているのだ。
新人? この時すでに彼女は日本を代表とする女優としての実力を持ち合わせていた。この新人という響きにいささかの違和感を覚えたのは私だけだろうか。
なにはともあれ、こうしてやっと日本も彼女の実力を認めることになった。
それからの彼女はみなさんご存知の通り、テレビ、映画、CMにひっぱりだこになり、彼女を見かけない日はないほどになった。
そしてついにこの日がやってきた。
連続テレビ小説「らんまん」のヒロイン、寿恵子役である。そして2023年の年末は紅白歌合戦の司会に抜擢された。ついに日本を代表とする女優として認められたのだ。
そんな浜辺美波だが、ここまできてこんな事を言うのもなんだが、そんなに可愛いわけじゃない。
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